内乱首謀容疑の被告人・尹錫悦「戒厳令自体は価値中立的な法的手段」「戒厳と内乱は異なる」 メディア初公開で行われた2回目公判

 尋問が終わってキム大隊長は「ぜひ申し上げたいことがある」とし、裁判部に発言を要請した。キム大隊長は「私は、人に忠誠はしない。組織に忠誠してきて、その組織が私に、国家と国民を守れという任務を付与した」「抗命と言う者もいるが、上級者の命令に服従するのは国家と国民を守れという任務を付与したときに局限される」と述べた。かつて2013年の「国家情報院コメント事件」のとき、当時検察官だった尹・前大統領が国政監査で発言した言葉を引用したのだ。この発言を聞いた尹・前大統領は閉じていた目を開け、一度キム大隊長の方へ目を向けた。キム大隊長は「わが軍が二度と政治的手段として利用されないように、私の後ろに座っていらっしゃる方々(報道関係者)にわが軍を監視してもらいたい」と語った。

■年末までに少なくともさらに28回の裁判を行うもよう

 証人尋問を終えた後、尹・前大統領側は検察が申請した証人リストと尋問順序は誤りだと再度問題を提起した。韋賢碩(ウィ・ヒョンソク)弁護士は金竜顕(キム・ヨンヒョン)前国防相、朴安洙(パク・アンス)陸軍参謀総長、呂寅兄(ヨ・インヒョン)前防諜(ぼうちょう)司令官など10人の名前を挙げて「検察の申請証人38人のうち、被告人と直接・間接に謀議した人物は1人もいない。国務会議(閣議に相当)関係者の大多数も最優先証人リストにない」とし「伝聞や推測よりも、直接経験した内容で証言が行われることを望む」と発言した。

 尹・前大統領も「前職大統領である私一人が裁判を受けるのに(他人を介した)伝聞証人の証言を法廷でここまで聞く必要があるのか」と口を挟んだ。すると裁判部は「内乱罪の法理については裁判部が明確な基準を持っている。こういう部分に疑問を持つのであれば、それは誤ったこと」と指摘した。

 検察は、尹・前大統領の弾劾審判決定文を追加証拠として提出し、尹・前大統領側は崔載海(チェ・ジェへ)監査院長と朴性載(パク・ソンジェ)法相、李昌洙(イ・チャンス)ソウル中央地検長などを証人として申請した。

 裁判部は、今年12月22日まで月に3-4回ずつ、計28回の裁判日程をひとまず確定させた。尹・前大統領側は「週に1度程度であれば充実して弁論をしたい」としたが、裁判部は「(確定した期日に加えて)さらに10回ほど期日を追加せざるを得ない」と述べた。次の裁判は来月12日に開かれ、パク・チョンファン特戦司参謀長とオ・サンベ消防司令官副官が証人として出廷する。

キム・ウンギョン記者、パク・ヘヨン記者

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  • ▲21日、瑞草洞のソウル中央地裁で開かれた内乱首謀容疑の2回目の公判に出廷した尹錫悦・前大統領。/写真=ニュース1

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