海洋問題の懸案について話し合う韓国と中国の会議が先日開催され、その席で中国が西海に設置した構造物に対して韓国側が抗議したところ、中国側から「それなら韓国の離於島海洋基地は何だ?」と問い返されたことが25日までに分かった。漁業以外の活動を禁じた暫定措置水域(PMZ)に中国が不法に固定構造物を設置したことが問題だが、これに中国はPMZの外にある離於島を持ち出して反論してきたのだ。中国による離於島紛争化の動きはこれまでも何度かあったが、これをPMZの構造物と関連付けて同じ交渉テーブルに載せてくるのは今回が初めてだ。外交関係者の間では「問題の本質をずらす意図がある」との指摘が相次いでいる。
韓国外交部(省に相当、以下同じ)によると、今月23日にソウル市内で開かれた第3次韓中海洋協力対話で、韓国政府は最近問題になっている中国の三つの構造物をPMZの外に移動させるよう要求した。これに対して中国側首席代表の洪亮・中国外交部辺界海洋事務局長は構造物移転要求に難色を示した上で、離於島に言及したという。洪亮局長は「離於島は(中国式の)固定施設ではないのか」と問いただした上で「離於島は中国東方の童島(海礁島)から247キロ(約133カイリ)で、中国の排他的経済水域(EEZ)内にある」と主張した。中国の構造物に問題があるなら、離於島の基地設置も許されないという論理のようだ。
中国は西海PMZの固定構造物問題に離於島基地を持ち出して反論してきたが、これについて韓国政府は「問題の本質をずらす意図がある」と分析している。中国の固定構造物は両国の合意で漁業活動のみ認められるPMZに設置されたため「不法」と考えられるが、離於島基地はこれと関係ないからだ。
PMZは2001年の韓中漁業協定締結の際に設定された海域で、両国はこの範囲では互いの操業を保障することで合意した。ところが中国は18年から昨年5月までにPMZ内に浮遊式の鉄製構造物「深藍1号と2号」を含む合計3基の構造物を設置したため、韓国漁船の航行に支障が生じ、また両国の漁船が対峙(たいじ)する事態も何度か発生した。