韓国AIスタートアップ企業が続々日本進出「現地にライバルがいない今こそ市場攻略のチャンス」 

 国内のAIスタートアップが大挙して日本に進出する最も大きな背景には、日本のスタートアップ生態系が十分に発達していないことにある。

 日本政府と企業は大規模な投資でAI技術の導入を積極的に推進している。日本政府は昨年11月、AIと半導体産業に2030年までに少なくとも10兆円を投資すると発表した。日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の調査では、生成AIを活用しているか、導入を目指している企業が70%に達する。

 しかし、日本は韓国に比べ、相対的に技術スタートアップの生態系が発達していない。企業が望むAIサービスを供給してくれる企業を探すことが難しい「市場の不均衡」が生まれているのだ。2023年に日本法人を設立した韓国AIスタートアップ「スパーブAI」関係者は「現在主要顧客である日本製鉄の場合、産業現場に適用するAI技術を探したが、それを実現してくれる日本企業がなかった。結局、韓国にある当社にまで連絡があった」と話した。スパーブAIは現在、日本製鉄に鉄鋼製品の品質検収やリサイクル分類を行うソフトウエア「ビジョンAI」を供給している。

■心強い支援軍、世界から投資誘致

 海外投資誘致が活発な点も、韓国のAIスタートアップによる日本進出が加速する要因だ。AIポータル企業のリートンテクノロジーズは、日本からの投資を受けたことをきっかけに現地に進出した。同社は日本最大のコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)であるZベンチャーキャピタルの投資を受けた。リベリオンも似ている。昨年1月、投資誘致に参加した日本のベンチャーキャピタルのDGダイワベンチャーズを通じ、現地ネットワークを生かして潜在顧客を確保した。

 韓国のAIスタートアップによる日本攻略が活発になり、初期投資に積極的に乗り出す日本企業も増えている。製造業に特化したロボット用AIソフトウエアモデル開発に着手したスタートアップ「リアルワールド」は、日本のKDDI、ANAホールディングス、三井化学、島津製作所などの企業から総額210億ウォンの初期投資を誘致した。リアルワールドのリュ・ジュンヒ代表は「製造業の基盤が強い日本でも工場に使うロボット用AI技術への関心が高い。技術開発を終え次第、韓日で同時に技術検証を進める予定だ」と話した。

安相炫(アン・サンヒョン)記者

【表】日本に進出した韓国AIスタートアップ企業

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