李在明候補は現時点では世論調査で当選の可能性が最も高い候補者だ。李在明候補もこの日「最後は国民の意向が最も重要だと申し上げたい」と述べた。大統領選挙を最後まで戦い抜く考えを明確にしたのだ。
しかし李在明候補が当選した場合でも、大統領の刑事不訴追特権を定めた憲法第84条適用をめぐり問題は尾を引きそうだ。憲法第84条には「大統領は内乱あるいは外患の罪を犯した場合を除き在職中は刑事上の訴追を受けない」と定められている。ただし「訴追」の範囲をめぐっては「現職大統領は起訴できないが、大統領就任前にすでに起訴された裁判は継続できる」という意見と、「就任前に始まった裁判も大統領になれば中断する」との見方で意見は分かれている。
共に民主党は「大統領に就任すれば既存の裁判も中断する」と主張している。しかし昨年10月に国会で国民の力所属議員が「刑事事件で起訴され裁判中の方が大統領になり、任期中に当選無効に相当する判決を受けた場合、大統領の職を失うのか」とした質問した際、憲法裁判所の金正元(キム・ジョンウォン)事務処長は「法律の効果上ではそのように考えられる」と答弁した。実際に李在明候補が当選した場合でも、大法院が選挙法事件の裁判を続ける可能性も考えられる。そうなった場合、破棄差戻し審で罰金100万ウォン以上の刑が宣告され、大法院がこれを確定すれば、李在明候補は当選後であっても当選無効となり大統領の職を失う。
政界では「共に民主党は李在明候補の選挙法裁判進行を阻止するため憲法的な措置に乗り出すのでは」との見方もささやかれている。具体的にはまず憲法裁判所に憲法訴願を行う可能性が考えられるという。しかし憲法裁判所法によると、裁判所で行われる裁判は憲法訴願の対象にならないため、憲法訴願はできないとの見方が有力視されている。そのため共に民主党では「立法で解決を」という声も出ている。盧宗勉(ノ・ジョンミョン)院内報道官は同日行われた議員総会中に記者団の取材に応じ「(議員らの間では)立法で解決すべき問題との声も出ている」と伝えた。政界では「過半数議席を確保した共に民主党は、李在明候補に適用される虚偽事実公表罪の条項を削除し、すでに裁判を受けている人物に対しては免訴の決定が下される形で選挙法の改正に乗り出すかもしれない」と予想する見方もある。
曺栢乾(チョ・ベッコン)記者、キム・ジョンファン記者