■大統領選前の確定判決は困難
ただし、破棄差し戻し審の結果が大統領選前に出たとしても、大法院の確定判決までは難しい-というのが法曹界の多数意見だ。破棄差し戻し審で罰金100万ウォン(約10万円)以上を言い渡された場合、李候補は被選挙権が剝奪(はくだつ)されるため、再上告する可能性が高いからだ。再上告は破棄差し戻し審の宣告後七日以内に行わなければならず、大法院が訴訟記録を受理したら二十日以内に再上告理由書を出すことになっている。李候補側が書類提出期限をぎりぎりまで引き伸ばせば、再上告審が始まるまで少なくとも27日かかるというわけだ。ある法曹関係者は「初公判が15日に決まったので、大統領選挙前に確定判決が出るのは事実上不可能になった」と語った。
破棄差し戻し審を担当するソウル高裁刑事7部は、裁判長の李在権部長判事(56歳、司法研修院23期)と、朴珠英(パク・チュヨン)=51歳、33期=および宋美暻(ソン・ミギョン)=45歳、35期=高裁判事による合議裁判部だ。主審は宋判事が務める。控訴審で李候補に無罪を言い渡した刑事6部は、経歴や地位が似ている判事3人が持ち回りで裁判長を務めて事件を処理する対等裁判部だった。
刑事7部は今年2月、朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件(1979年10月26日)で1980年に死刑が執行された金載圭(キム・ジェギュ)元中央情報部長の事件の再審開始を決定した。また李部長判事は昨年、李ジョン根(イ・ジョングン)元民主党事務副総長の選挙法控訴審の裁判長を務め、一審の懲役1年・執行猶予2年を懲役6カ月・執行猶予1年に減刑した。
キム・ウンギョン記者、パン・グクリョル記者