チェコの新規原発契約締結を阻んだ同国の裁判所による仮処分決定に対し、チェコ電力(CEZ)が反発し、直ちに抗告することを決めた。これは、フランス電力(EDF)が提訴した仮処分申請をチェコのブルノ地方裁判所が認め、本案訴訟の結論が出るまで韓国水力原子力と発注企業のチェコ・ドコバニII原子力発電会社(EDU II)間の契約締結を中止するよう決定したのを受けての対応だ。
EDU IIの親会社であるCEZのダニエル・ベネシュ最高経営責任者(CEO)は7日、「来週にも最高行政裁判所に仮処分棄却を申請する。事案が重要なだけに、速やかに決定を下すよう望んでいる」と述べた。チェコ新規原発建設事業は、チェコのドコバニ地域にそれぞれ1000メガワット(MW)級原発であるドコバニ5号機・6号機を建設するプロジェクトだ。韓国水力原子力と仏EDF、米ウェスチングハウス・エレクトリック・カンパニーが三つどもえの戦いを繰り広げた結果、昨年7月に韓国水力原子力が優先交渉対象者に選ばれた。チェコ政府は先月30日に閣議を開き、5月7日に契約締結式を行うと正式に発表した。
■チェコ側、抗告を推進
仏EDFは「韓国水力原子力を優先交渉対象者に選定した過程に手続き上の問題がある」として、チェコ経済競争保護局(UOHS)に昨年8月と11月の2回にわたって異議を申し立てた。 だが、先月24日に控訴が棄却されるや、今月2日にブルノ地方裁判所で訴訟を起こした。裁判所は6日に仮処分申請を受け入れ、韓国水力原子力とEDU II間の契約締結を中止する決定を下したが、今回はチェコ発注企業側が最高行政裁判所に抗告することにしたものだ。
ベネシュCEOは「非常に公正かつ透明な入札過程を通じ、韓国水力原子力を優先交渉対象者に選定した。裁判所の判決は尊重するが、必要な対応を取り、事業を進めるだろう」と述べた。発注企業EDU IIのペトル・ザボドスキーCEOは「今日(7日)から日程を開始するならば2036年稼動と予想していた。この日程はこれ以上短縮できない。数カ月ずつ遅延が重なれば、進行に大きな支障が生じかねない」と語った。その上で、「契約締結は保留されたものの、現場地質調査や認可・認可書類作成などの必要な手続きは進める」とも言った。一方、ベネシュCEOは同日、契約締結のためチェコを訪れた韓国政府・国会代表団に正式に謝罪した。同CEOは「チェコ側を代表して韓国代表団におわび申し上げる。昨日の裁判所の決定を予想するのは容易ではなかった」と述べた。
趙宰希(チョ・ジェヒ)記者、チョ・ジェヒョン記者