「多産の女性は長生きできない」という韓国の法医学者の主張に、賛否両論が巻き起こっている。
ソウル大学法医学教室の柳成昊(ユ・ソンホ)教授が運営する動画共有サイト「ユーチューブ」のチャンネルには3日、「多産の女性が早く亡くなるのは事実だ」というタイトルのショート動画が掲載された。このショート動画は先月11日にアップロードされた動画の一部を編集したものだ。この動画は5日間で再生回数185万回を記録し、コメントも5000件以上寄せられている。
【写真】「多産の女性が早く亡くなるのは事実」と主張する柳成昊教授
この動画で柳成昊教授は「多産の女性が早く亡くなるのは事実です」と言っている。
一緒に出演しているソ・ヘジン弁護士が「出産を一度もしたことのない女性の方が長生きするという統計もあるんですか?」と質問すると、柳成昊教授は「その通りです。それは確かです。今、韓国の人口は増えていませんが、一人暮らしの方は多いではありませんか。もっと長生きするでしょう」と答えた。
ソ・ヘジン弁護士が「出産していない女性たちがあまり老けないという話を、私たちはよくしている」と言うと、柳成昊教授は「あまり老けないのも確かだ」と答えた。さらに、ソ・ヘジン弁護士が「それよりも結婚をしていないことの方が大きい気がする。悩みの種になる人があまりいないから」と言うと、柳成昊教授は「一番重要なのは出産だ。それが最も決定的だ」と答えた。
これを見たネットユーザーたちは「妊娠すると、あっという間に老けるのは確かだと思う」「産む前と産んだ後では、体じゅうが天と地ほどの差だ」「出産が女性の健康に影響を与えるというのは常識だ」などのコメントを寄せた。だがその一方で、「私の母は8人産んだが、90代まで元気だ」「私の周りにいる出産経験のある女性たちの中で、子どもが3人いる人が一番顔が若い」など、個人的な経験を基に意見を述べる人もいた。
今年2月に韓国統計庁が発表した「2024年出生・死亡統計」によると、1人の女性が一生のうちに出産すると予想される子どもの平均数を意味する合計特殊出生率は昨年0.75だった。 これは過去最低だった前年(0.72)に比べると0.03の微増だ。
医学界でも、出産が女性の老化や寿命に及ぼす影響についてはさまざまな意見がある。ある論文では、妊娠中に生物学的老化が加速化する傾向があるが、出産後数カ月後に以前の状態に戻って、生物学的年齢が減少すると分析されている。一方、別の研究では、むしろ生物学的な年齢が若くなり、特に母乳を与えると回復効果がより大きいという結果もある。
専門家らは「出産したかどうかが健康に影響を与えることは一部あるが、寿命と老化は遺伝的要因や生活習慣、社会経済的条件により大きく左右される」と説明している。
チョン・アイム記者