保守系の弁護士団体「韓半島の人権と統一のための弁護士会(韓弁)」は16日、「大法院(最高裁に相当)が『共に民主党』の李在明(イ・ジェミョン)大統領選候補の公職選挙法違反事件控訴審無罪判決を有罪の趣旨で破棄差し戻しした後、司法権の独立を危うくする前代未聞の蛮行がほしいままに行われている」と批判した。韓弁はこの日、声明書を出して「190議席の圧倒的議席で立法・行政・司法の三権を一人の人間が掌握するのは、全体主義の企図と異なるところがない反憲法的暴走」と主張した。
■「大法院長聴聞会・弾劾の脅迫…反憲法的」
進歩(革新)系の「共に民主党」が今月14日、曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長(最高裁長官に相当)や大法官(最高裁判事に相当)・判事などに対する聴聞会を強行したことについて、韓弁は「大法院が李候補の事件を有罪の趣旨で破棄差し戻ししたことを大統領選挙への介入と決めつけ、国会の証言台に立たせようとするもの」だと指摘した。当時、曺大法院長など全員が聴聞会に出席しなかったことから、鄭清来(チョン・チョンレ)法司委員長は「まだ目覚めていなかった。弾劾すべき」と主張した。
これに対して韓弁は「大法院が法の規定に則って迅速な裁判をしたにもかかわらず、自分たちに不利な判決を下したとして大法院長や大法官を大量弾劾したり国会に呼び出したりして、また捜査すると圧力を掛けた」「確定的犯罪者が、自分を裁いた裁判官を相手に開き直って暴走しているのと変わらない」「司法府の独立を深刻に毀損(きそん)する、想像し難い反憲法的な行いで、かつ司法府の独立を保障する憲法に明白に違反する」と主張した。韓国憲法103条は「裁判官は憲法と法律に従い、良心に従って独立して裁判をする」と定めている。
■「李在明一人のための立法を強行」
韓弁は、民主党が大法官の数を従来の14人から最大100人まで増やす「大法官増員」や、大法院の判決にも憲法訴願を提起できるようにする「裁判訴願導入」などの法改正を進めていることについても「大法院に対する報復という性格を持つ法案」だと批判した。韓弁は「“民主党側の判事”を大挙任命して大法院を掌握し、事実上“四審制”を導入して自分たちに有利な判決が出るようにするのが狙い」だと述べた。
韓弁は、公職選挙法の虚偽事実公表罪の構成要件から「行為」を削除する改正案を民主党が通過させたことについても「法の下の平等原則に著しく背く、李候補のための露骨な『為人設法(特定人物のための立法)』」だと批判した。