北朝鮮がこのところ戦力形成に力を入れている無人機の場合、ウクライナ戦争で習得した現代戦の経験と合わさることで大きな脅威になるだろう、というのが韓国軍当局の懸念だ。北朝鮮は米国の無人攻撃機「リーパー」や、同じく米国製の無人偵察機「グローバルホーク」と外見が似ている無人機を運用している。5月17日には無人攻撃機の編隊飛行を初めて披露し、今年3月には光学カメラを搭載した改良型無人偵察機「セッピョル4」を公開した。ウクライナに派兵された北朝鮮軍は、無人機を利用した現代戦を習得したが、これらの無人機が今後、韓半島有事の際に北朝鮮軍通常戦力の主要な軸になるものとみられる。
とりわけ、米国製のものを模倣した無人機の外形は、有事の際に韓半島に投入される米軍無人機との彼我識別を難しくするためのものと分析されている。情報当局の関係者は「ウクライナ戦争の経験を『われわれ式で消化せよ』という金正恩の指示を反映して、北朝鮮は偵察自爆型無人機、早期警戒機の開発や防空戦力の拡充にもまい進する様相を見せている」と語った。
北朝鮮は昨年11月に新型戦車「天馬」も公開した。アクティブ防護システムや遠隔射撃統制システム、対ドローン防御システムなどを適用していると推定されるが、対する韓国軍の主力戦車K2の場合、こうしたシステムは備えていない。アクティブ防護システムとは、戦車などに対するミサイル・ロケット弾の脅威が装甲に到達する前に感知・迎撃するシステムだ。韓国軍関係者は「K2戦車の場合、アクティブ防護システムを開発中」と語った。