韓国の給食調理師たち「きつい仕事は嫌」「ロボット導入も嫌」 

全国10カ所で給食ロボット導入、または推進

 韓国・大田市の一部の学校で行われている調理師によるストライキにより、「わかめの入っていないわかめスープ」など給食の不手際が1カ月以上も続いている。

 大田市の屯山女子高校は最近、卵の皮むきなど食材の手入れを拒否し、調理師10人のうち5人が交代で勤務に就いていない。調理師が全員出勤しなければ、学校側は生徒たちに弁当など代替給食を提供することができる。しかし、調理師は半数が交代でストライキを行っているため代替給食を提供できず、生徒たちの給食に少なからず支障を来している。例えば、5月12日の屯山女子高の昼の献立は、白米、わかめスープ、キムチ、辛味の豚カルビチム、チャプチェだったが、カルビチムは同日納品された食材の半分だけが調理され、チャプチェの材料は納品されたものの調理されずに廃棄された。

【写真】揚げ物をする給食用ロボット

 同校は4月2日から調理師不足が続いており、夕食の提供は完全に中断されている。耐えかねた学校側は現在、調理師の要求事項を受け入れ、夕食を再開する案を検討している。学校は16日、保護者たちに調理師の要求を受け入れ、夕食を再開するかどうかを問う学級通信が送られた。

 これは何も大田市に限ったことではなく、学校給食の調理師が「勤労環境の改善」を求めてストライキに踏み切る事態は、全国各地で発生している。実際、給食の調理師は厳しい労働環境に対して賃金が低く、人手不足が続いている。主な市・道の教育庁では、換気施設の拡充など労働環境を改善するとともに、人手不足やストライキで生じた人材の空白を埋めるため、大量の給食を手掛けることのできるロボットの導入を急ピッチで進めている。

 2023年にソウル市教育庁が全国で初めて学校給食用のロボットを導入したのを皮切りに、京畿道、大邱市、江原道、仁川市、光州市、全北道、慶北道の七つの教育庁が給食ロボットの導入に踏み切った。年内に導入予定の釜山市、済州市まで含めると、10カ所にまで増える見通しだ。仁川広域市の教育庁は17日、計7億ウォン(約7300万円)を投入し、3カ所の学校(仁川ノンヒョン中、富光高、佳林高)に給食用調理ロボットを設置すると発表した。昨年9月、仁花女子中学に複合機能型調理ロボットシステムを試験導入して以降、他校への拡大を本格的に進めていく意向を固めた。

 だが、給食現場でロボットの導入を巡り、教育庁と調理師労組間の葛藤も深刻化している。調理師労組側がロボットでは問題解決に限界があるとし、否定的な立場を示しているためだ。

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