ロシアが北朝鮮にドローン迎撃用の対空兵器を提供、国連監視団が確認

 ロシアが昨年11月以降、北朝鮮にドローン迎撃用の防空兵器「パーンツィリ(Pantsir)」を提供したことが、5月29日までに確認された。北朝鮮の対米・対南打撃用大陸間弾道ミサイル(ICBM)や短距離弾道ミサイル(SRBM)の精度や成功率を高めることができる軌道データや誘導技術なども渡したことが分かった。

【写真】プーチン大統領公邸の周辺に設置されているパーンツィリ-S1

 国連の北朝鮮制裁監視組織である「多国間制裁監視チーム(MSMT)」が5月29日、「ロシアがウクライナ戦争で派兵支援を行った北朝鮮に、代価の意味で各種の武器や軍事技術を移転した」「これは全て国連安保理の北朝鮮制裁決議違反」と指摘した。MSMTは、昨年4月にロシアの拒否権行使で解体された国連北朝鮮制裁専門家パネルの活動を継承しようと、同年10月に新設された。MSMTは韓・米・日・豪・加・仏・独・伊・蘭・ニュージーランド・英の11カ国からなり、過去7カ月にわたって各国の情報アセット(資産)などを総動員して北朝鮮制裁への違反事項を調査し、5月29日に最初の報告書を出した。

 報告書によると、ロシアは昨年11月から今年初めにかけて、短距離防空用の戦闘車両「パーンツィリ」を少なくとも1台、北朝鮮に渡した。パーンツィリとはロシア語でよろいという意味で、地対空ミサイルと対空砲を備えている。およそ4万メートル上空の巡航ミサイルやドローンを探知し、射程20キロで迎撃が可能だ。最新型のパーンツィリは射程が40キロを超える。北朝鮮は、ウクライナ戦争でドローンとの実戦経験を積んだのに続いて、ロシアからドローン防空兵器も手に入れたのだ。

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  • ▲グラフィック=梁仁星(ヤン・インソン)
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