ロシアが北朝鮮にドローン迎撃用の対空兵器を提供、国連監視団が確認

 また、調査によると、ロシアは衛星利用測位システム(GPS)の電波かく乱装備や使用法など電子戦用の武器と技術も北朝鮮に提供したことが分かった。北朝鮮は西海5島や江原道など休戦ライン付近で、不定期的に電子戦訓練を行っているという。北朝鮮の対南電波かく乱で、このところ韓国では通信基地局・航空機・船舶(漁船・客船・軍艦)の障害問題が発生しているが、今回のロシアの新式装備提供で北朝鮮の対南電子戦挑発がさらにひどくなりかねない、という懸念も生じている。

 さらに、MSMTは報告書で「ロシアの弾道ミサイル関連の各種データや誘導技術も北朝鮮に移転された」と記した。北朝鮮がこれを基に、不十分だったICBMの大気圏再突入技術を補完することもあり得る、という指摘が出ている。このほか、北朝鮮の労働者が昨年1年間で8000人、今年上半期には数千人がロシアに派遣され、建設業・工業・IT・医療の現場に投入されたことも把握した。

 今回の報告書には、北朝鮮の派兵だけでなく対ロ武器提供の現況も細かく盛り込まれた。北朝鮮は2023年9月から数カ月間、コンテナ2万個分以上のD20・D30けん引曲射砲、M30・M46曲射砲、82・122・130・152・170ミリ砲弾を提供したことが判明した。昨年中は200基以上の重砲、そして900万発の砲弾・ロケット砲弾を49回にわたってロシアの貨物船に渡した。ロシアはこれを極東の港で受け取った後、鉄道でロシア中西部の弾薬庫まで運び、ウクライナ戦争で使用した。

 韓国外交部(省に相当)の当局者は「国連専門家パネルが解体されても国際社会の監視網は避けられない、ということが確認された」と語った。

盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者

【写真】プーチン大統領公邸の周辺に設置されているパーンツィリ-S1

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