ソウル高裁が被告人・李在明の破棄差し戻し審を延期 司法府が共に民主党の「防弾法案」を追認

李大統領の「司法リスク」消滅

■2030年の退任後に裁判が再開されるもよう

 今後5年間は、李大統領の選挙法違反事件の裁判が再開される可能性は低いとみられる。ただし裁判部が交代した場合、新たな裁判長が裁判を再開するかどうか再度判断することもあり得るが、通常は前任の裁判部の決定を尊重するのが裁判所の慣例で、再び裁判が開かれる可能性は希薄だというのが法曹界の見方だ。

 検察の抗告や憲法訴願などで裁判延期決定が途中で覆される可能性も低い。ある裁判所関係者は「裁判の期日についての決定は裁判長の訴訟指揮の一部であって、検察の抗告など法的に不服を主張できる手続きが存在しない」「裁判所の裁判は憲法訴願の対象から除外されており、憲法訴願もまた提起することはできないだろう」と語り、さらに「裁判の延期は誰かの権限を侵害する事案ではないので、野党などが権限争議審判を請求することもできないだろう」と指摘した。

 結局、この裁判は李大統領が退任する2030年6月以降に再開されることになる。李大統領は任期を終えた後、有罪が確定する可能性が高いが、その前に民主党が「虚偽事実公表」について選挙法を改正した場合、退任後に免訴判決を受けることもあり得る。

■「残りの裁判も全て延期されるだろう」

 9日の選挙法違反事件破棄差し戻し審裁判部の判断に伴い、李大統領が受けている残り四つの刑事裁判も全て延期される可能性が高い―という見方が、法曹界では支配的だ。ある高裁部長判事は「“憲法84条”に基づいて大統領の裁判を延期するという裁判所レベルの初の判断が出ただけに、他の裁判部もこれを先例にする可能性が高いとみられる」と語った。加えて、裁判中止法が国会を通過した場合、任期中は全ての裁判が中止される。

 2023年3月に起訴された「大庄洞・慰礼新都市開発不正と城南FC違法後援金事件」の場合、起訴からおよそ2年2カ月が経過したが、まだ一審の審理は半分も進んでいない。この事件の裁判も延期決定が下されたら、7年以上も一審が続くことになる。

キム・ヒレ記者、パク・カンヒョン記者

【被告人・李在明】五つの裁判の進捗状況

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  • ▲李在明・第21代韓国大統領が4日午前、ソウル市汝矣島の国会ローテンダーホールで就任宣誓式を終えた後、曺喜大(チョ・ヒデ)大法院長=最高裁長官に相当=とあいさつを交わしているところ。/写真=ナム・ガンホ記者
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