先に法務部(省に相当)は、新堂駅ストーキング殺人事件など身辺保護を受けていた女性が殺害される事件が相次いで発生したことを受け、2022年にストーキング処罰法改正案を立法予告した。
警察の捜査段階で今回の留置場・拘置所への留置申請を行うのは異例だ。裁判所の承認率が極めて低いからだ。警察による今回の措置に当たっては、令状棄却によって被害女性が直面する極度の不安感、事件発生後に被害者が住居地を離れて「さすらい」生活をしていること、被疑者の住居との距離が極めて近いこと(マンションの表棟・裏棟)などが考慮されたという。
警察関係者は「今回の事件は危急であるだけに、ストーキング容疑を勾留状に追加する一方、被疑者を拘禁できるように必要な措置も取った」とし「余罪を確認するため、犯行場所一帯に設置された防犯カメラの数カ月前の記録まで調べてみているところ」と語った。
しかし、こうした警察の措置にもかかわらず、被害女性Bさんは、勤めていた病院側に辞職の書類を出した。Bさんは「京畿道の故郷に戻って静かに過ごしたい」「眠っていても、悪夢でしばしば飛び起きるほどで、体の状態も良くない」と語った。
先に安東警察署の刑事チームは、マンション外側のベランダの窓に残る鮮明な手の跡や窓枠に残る足跡などの証拠を確保した後、映像でA容疑者の動線を追跡してきた。
警察が犯行現場のマンション周辺の防犯カメラを確認した結果、A容疑者が、被害女性のマンション3階と4階の間にある窓を通ってベランダに侵入したことが確認された。
映像を確認すると、A容疑者が廊下の窓を通って被害女性宅まで入るのにかかった時間は、わずか15秒だった。ガスの配管など手がかりになるものがなく、一般人が試みた場合、転落事故につながりかねない構造だった。
これを基に警察は、事件発生から16日が経過した今月11日にA容疑者を検挙した。下着だけを盗む夜中の侵入者・A容疑者は、被害女性のマンションのすぐ裏の棟に住んでいた。容疑者は警察で「酒に酔っていて思い出せない」と供述した。だが警察は、A容疑者の主張はうそだとみている。警察関係者は「被害者宅に侵入した当時の敏しょうな行動、居室で冷静に家の内部状況を確認した容疑者の行動は、酒に酔った状態とは思えない」と語った。
安東=クォン・グァンスン記者