一人の事業主が複数の露店を運営する「企業型露店」が明洞に増えたことで、周囲の店舗も被害を訴えている。明洞のある不動産業者は「周囲の飲食店の事業主が『私たちはきちんと税金を支払うが、露天商は現金取引することで税金をごまかしている上、1年に90万ウォンの道路使用料しか支払っていない。こうした不公正はおかしい』と腹立たしい思いで見つめている」という。
隔日制の原則に反し、さまざまな露店を運営するケースが増えたことで、歩行権への侵害も深刻さを増している。中区の取り締まり件数は2023年の75件から今年は5月までに5件と、毎年減っている。区の取り締まりが形式的だと批判する声も高まりを見せている。明洞のある不動産関係者は「昨年春、警棒を持った取り締まり班が明洞の通りを巡察すると、普段は見られなかった露店のオーナーたちが次から次へと顔を出し、『あなたがオーナーだったのか』と互いに顔を見合わせる場面もあった」と話す。
露店実名制を2020年から運営しているソウル市東大門区は、22年から特別司法警察官(特司警)制度を導入し、ここ3年間で地域内の露店572店舗のうち233店舗を撤去させた。このうち、ソウル市や区の正式許可を得ていた露店は69店舗(29.6%)も含まれている。許可を受けていたとしても代理運営や多店舗方式など企業型で運営されていれば許可を取り消して撤去する仕組みだ。
当初、東大門区も、露店の運営権を他人に売り渡したり、一人で複数の露店を運営したりする「企業型露店」の取り締まりに力を入れたものの、明洞と同様、思うようには進まなかった。区の職員が取り締まりのために身分証明書の提示を要求しても「そんな権限がどこにあるのか」と言って、露店主たちがこれを拒否したという。これを受け、東大門区は職員7人を特別司法警察官に指定し、管轄区域別に配置。定期の取り締まりと随時点検を並行して実施した。これら職員が現場を直接調査することで、露店運営者の身分証明書と運営履歴を対照し、無断賃貸や名義変更など実名制に違反している場合は即刻摘発するシステムとなっている。
チョ・ミンヒ記者、ク・アモ記者、キム・ヨンウ記者