召喚もせずに請求した尹錫悦逮捕状が棄却された内乱特別検察官、「28日午前9時に出頭せよ」と召喚通知

二人の特捜通、「駆け引き」本格化

 逆に、趙特検について「尹・前大統領側の対応まで考慮した手を打った」という分析もある。高裁部長出身のある弁護士は「趙特検が異例にも令状請求の事実を公開したのは、“召喚取り調べに応じようと思っていた”という尹・前大統領側の主張の信ぴょう性を揺さぶるためのものとみられる」と語った。だが結果は、趙特検の1敗だ。裁判所が、性急な趙特検の令状請求を棄却したのだ。ただし尹・前大統領側が、特検の取り調べに応じるつもりだという立場を表明しているだけに、趙特検は所期の成果を挙げたという評価も出ている。

■出国禁止措置に続いて逮捕状…無理な手だったか

 趙特検が逮捕状請求まで押し付けたのは、それなりの理由があったといわれる。今月23日に尹・前大統領側が、内乱裁判で「特別検察官法は特定の政治勢力が主導し、違憲的だ。憲法裁判所に法律的問題を提起したい」とする立場を表明したからだ。

 特検チーム内からは「特検そのものを認められないということではないか」「警察の取り調べにも応じないのに、特検の取り調べに応じるだろうか」などの反応が出たという。「特別検察官法違憲」まで主張し出しているのだから、出頭要求をしても応じないだろうと判断し、違憲法律審判の請求などで「粘る」可能性を事前に遮断すべきだということで意見がまとまった―と伝えられている。

 だがこの日、尹・前大統領に対する逮捕状請求が棄却されると、法曹界からは「意欲が先行した趙特検の無理な手だった」という評価が出た。法曹界のある関係者は「尹・前大統領の場合、取り調べに応じるつもりだと意志表示するだけでも逮捕状の発付は難しい」「捜査も相当部分進められており、逃走および証拠隠滅の恐れも大きくない状況」と指摘した。

キム・ヒレ記者、キム・ナヨン記者

【表】尹錫悦政権3年は全て「内乱統治期間」…戒厳と無関係な事柄も「内乱」で片付ける左派陣営

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