借金を返済したら損? 李在明政権が打ち出した個人債務免除政策に「逆差別」と批判の声

■債務調整の死角も

 いつ借金をしたかによって恩恵を受けられないケースが多いことも問題だ。通常は政府の債務調整対策は発表時点を基準日とする。7年以上延滞した借金を対象にする今回の対策は6月19日に発表されたので、2018年6月19日以後に延滞が生じた債務は対象に含まれない可能性が高い。

 もちろん、政府による他の債務調整プログラムを利用することは可能だ。コロナ事態で被害を受けた自営業者・零細事業者を対象に融資元金の60~80%を減免する「新たな出発基金」だ。しかし、同基金は2020年4月以降に債務が発生した場合に対象者を限定している。

 このため、2018年6月下旬以降に延滞が始まったり、2020年4月以前に借金をした人は政府による2種類の債務調整政策による恩恵をいずれも受けられないという逆差別が発生することになる。国会予算政策処も最近、そうした問題点に言及し「支援対象と要件など債務者間の公平性問題をバランスよく考慮する必要がある」と指摘した。

 だが金融当局関係者は「公平性のために基準を緩和すればきりがない」とし、「死角に入った債務者は手続きが難しく恩恵が少ないが、既存の信用回復委員会による債務調整プログラムなどを活用するしかない」と話した。

郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者

【表】歴代政権との比較にみる李在明政権「個人長期延滞債権債務調整プログラム」

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲グラフィック=朝鮮デザインラボ・Midjourney
  • 借金を返済したら損? 李在明政権が打ち出した個人債務免除政策に「逆差別」と批判の声

right

あわせて読みたい