【NEWSIS】米国のカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の卒業式で、ある学生が生成AIのチャットGPTを使って期末試験をクリアしたと明かし、物議を醸している。
米紙ニューヨーク・ポストが6月26日(現地時間)、報じた。それによると、この騒動が起きたのは6月初め、UCLAの卒業式でのことだった。
【写真】卒業式の会場で「期末試験でチャットGPTを使った」と叫び拍手喝采を受けるアンドレ・マイさん
生中継の画面に映った計算システム生物学(a computational and systems biology)専攻のアンドレ・マイさんは自身のノートPCを誇らしげに掲げ「期末試験でチャットGPTを使った」と叫んだ。
マイさんのノートPCの画面には、AIが生成したとみられる文章が並んでいた。
チャットGPTなど生成AIが発達・普及し、学生らが課題や試験に生成AIを活用するケースは珍しくなくなった。学生のほとんどがAIを活用している事実を隠しており、学校側はAIが生成した文章の探知サービスを投入するなど、課題に取り組む際にAIを使うことを防止する動きがあるが、マイさんはチャットGPTを積極的に活用したことを逆に自慢したのだ。
卒業式の会場でも、マイさんのこの発言に拍手喝采が起きた。学生たちは笑顔でマイさんに歓声を送った。
この動画はインターネット上で拡散されて話題になった。しかしネットでは賛否両論が渦巻いた。
一部では「チャットGPTを活用して学位を取得したのなら、それはAIの学位であって人間の学位ではない」「こういうことがあるから大学の学位の価値が落ちているんだ」などと否定的な反応が見られた。
一方では「AIをうまく活用して卒業したことに何の問題があるのか」「これからはAIがもっと発展して、良くも悪くも今以上に普及するだろうから、これをうまく活用するのも能力だ」などのコメントも見られた。
マイさんは自身の動画が話題になると、SNS(交流サイト)で「教授たちの許可を得ているので不正行為ではない。逆に教授たちにはAIを積極的に活用するよう奨励された」と説明した。
アンケート調査機関のピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center)が2024年に調査したところによると、米国では10代の学生のうち約26%がAIチャットボットを課題に活用していることが分かった。これは前年の2倍近くに当たる数値だ。
ホン・ジュソク記者