李在明大統領は選挙前の今年5月、米タイム誌とのインタビューで「中国が台湾を侵攻した場合、台湾を支援するのか」との質問に「宇宙人が地球を侵略したら、その時に回答を考えてみる」と答えた。ある遊説の際には「台湾と中国が戦うことと我々に何の関係があるのか」と発言した。さらに韓米同盟の発展や韓米日協力と同時並行で「中国やロシアとの関係改善」も公約として掲げた。
李在明大統領のこのような認識が一層明確になる中、韓国政府と米国政府が進める戦時作戦統制権移管に向けた協議が一気に進展した場合、在韓米軍の規模や役割の見直しにも影響する可能性が高い。韓国軍への戦時作戦統制権移管が現実となった場合、米国防総省は在韓米軍の兵力縮小、さらに陸軍中心から空軍や海軍中心への再編成なども検討している。別の韓国政府筋も「在韓米軍縮小が懸案として浮上している」と認めた上で「今後も協議を進めていきたい」と述べた。中国けん制に韓国が今後もあいまいな態度を取り続けた場合、米国は在韓米軍兵力や兵器のほとんどを、中国けん制により積極的な日本の在日米軍基地、あるいはインド太平洋地域の別の基地に移動させる可能性が高い。
一方で日本の自衛隊は今後の在日米軍司令部と自衛隊との共同作戦に備え、今年3月に陸上・海上・航空自衛隊を一元的に指揮する統合作戦司令部を発足させた。日本は東アジア地域を一つの戦区として戦力を一元的に運用する「ワン・シアター」の概念を米国に提案し、オーストラリアやフィリピンからも前向きな反応を引き出している。米国、日本、オーストラリア、フィリピンは4カ国による非公式の安全保障協議体「スカッド」を年内に形にする計画だという。韓国軍のある予備役将校は「米国と共同で作戦する韓国の能力を日本は今、手にしようとしているが、韓国は今持っているものも捨てようとしている」と懸念を示した。
ヤン・ジホ記者