李在鎔会長の無罪確定 魔女狩り的捜査を後押しした韓国の社会風土、依然「第2、第3のサムスン」生む恐れ

■米企業も「非関税障壁」批判

 韓国の司法環境で企業経営者は「経営判断」が事後に処罰されかねないというリスクを抱いて働く。企業事件の裁判を担当したある裁判官もそんな懸念を口にしたことがある。昨年11月、ソウル中央地裁の崔景瑞(チェ・ギョンソ)部長判事は骨関節炎遺伝子治療剤「インボサ」成分ねつ造事件の一審で無罪を言い渡した。この事件の被告はコーロンの李雄烈(イ・ウンヨル)名誉会長だった。李名誉会長は5年間、捜査と裁判を受けてきた。崔判事は「地裁と(大法院の)最終判断が同じ(無罪)ならば、数年にわたり多くの人員が投入されたこの訴訟の意味は果たして何か、科学的分野の司法的統制をどう取るべきか深く考える必要がある」と指摘した。

 外国の企業経営者も過度な捜査と処罰を韓国経済の競争力を弱める要因として指摘する。駐韓米国商工会議所のジェームス・キム会頭は最近、本紙とのインタビューで、「韓国は最高経営責任者(CEO)に対する刑事処罰のレベルがかなり強い」とし、「処罰より予防に焦点を合わせ、刑事責任の範囲を縮小することが韓国企業の競争力を極大化する上で役立つだろう」と発言している。ややもすると刑務所行きを恐れて外国人CEOが韓国に来ることを敬遠し、結局投資にも悪影響を及ぼす一種の「非関税障壁」として作用している格好だ。

朴淳燦(パク・スンチャン)記者

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