習近平は朴槿恵との電話会談に応じなかった【コラム】(上)

【元東京特派員・李河遠記者が語る韓国外交・安保の舞台裏】

2015年の中国戦勝節行事出席後、わずか4カ月で北が4回目の核実験

朴大統領、習主席との緊急電話会談を試みるも拒絶される

裏切られたと感じた朴大統領、「困難なときに手を携えてあげてこそパートナー」と批判

6カ月後、米国が要請したTHAAD配備を決定…韓中関係の転換点に

 中国政府が、今年9月3日に北京で開く戦勝節80周年軍事パレードに韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領を招待し、「戦勝節外交」を巡る論争が再び起こりつつあります。李在明大統領と米国のトランプ大統領の初の首脳会談がいつ実現するのか不透明な状態で、大統領室は「出席するかどうかに関して中国とコミュニケーションを取っている」と明かし、微妙な雰囲気をつくりました。「コミュニケーションを取っている」とは「出席することもあり得る」ということだと解釈され、主要日刊紙が一斉に「戦勝節出席には慎重であるべきだ」とする社説を載せました。

【写真】2013年6月 国賓訪中した朴槿恵大統領(当時)

 私は最近、あるメディアが戦勝節出席問題を提起した時点では、これを深刻には考えませんでした。魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が「朴槿恵(パク・クンヘ)、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の中国訪問にもかかわらず2014年以降訪韓していない習近平主席が、慶州APEC(アジア太平洋経済協力)会議を契機としてまず韓国に来るべき」という論理でこの問題をかわしていくだろう、と予想していました。魏室長は朴大統領の2015年中国戦勝節出席を批判したこともあったので、なおのことそう思いました。ところが、大統領室がこれについてあいまいな態度を取ったことに伴い、李在明政権の序盤で外交の足取りがもつれる可能性も語られています

 李大統領が中国の戦勝節に出席するかどうかは、今後の韓中関係はもちろん韓米関係、北東アジア情勢にも少なからぬ影響を及ぼしかねず、10年前に何があったか振り返ることが必要に思えます。朴大統領の中国戦勝節記念式典出席後、韓中関係はまるでローラーコースターのように激しく動いたと言えます。

■朴槿恵大統領、「統一大当たり」への中国の支持を希望

 2015年9月3日、朴槿恵大統領は北京の天安門広場で行われた「中国人民の抗日戦争勝利および世界反ファシスト戦争勝利70周年閲兵式」に出席しました。

 朴大統領は、大韓民国の歴史上初めて中国人民解放軍の軍事パレードを視閲した韓国大統領として記録されました。習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領などと共に天安門の楼閣に上がって戦勝節の軍事パレードを視閲する場面は、世界の主要メディアに注目されました。

 当時、米国など主な西側諸国の首脳は誰も出席せず、朴大統領の出席はいっそう注目されました。金寛鎮(キム・グァンジン)国家安保室長、尹炳世(ユン・ビョンセ)外相をはじめとする韓国政府の外交・安全保障分野の主要メンバーは、次のような論理で朴大統領の戦勝節出席を正当化しました。

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  • ▲朴槿恵大統領の中国戦勝節出席を報じた「朝鮮日報」2015年9月4日付1面トップ記事
  • 習近平は朴槿恵との電話会談に応じなかった【コラム】(上)

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