警察官を殴って韓国警察大退学、15年後に警部特別採用に合格して被害者に接近試みる【独自】

警察官を殴って韓国警察大退学、15年後に警部特別採用に合格して被害者に接近試みる【独自】

 韓国で警察幹部を養成する警察大学に在学当時、警察官に暴行を加え退学処分になった人物が最近、警察幹部に任命されたことが論議を呼ぶ中、警察大関係者が加害者と共に被害者宅近くを訪ねたことが問題になっている。被害を受けた警察官は「明らかな二次加害」だと反発している。

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 本紙の取材によると、15年前の事件で暴行の被害者だった現職警察官Aさんは、警察の内部通信ネットワークに「二次加害」を訴える書き込みを行った。Aさんは「昨日(7月31日)、警察大から職員と加害者を自分の居住地近くに行かせるので『待っている』というメッセージが送られてきた。自分が望んでいないのに、居住地域が加害者に知られることになった」と主張した。警察大関係者と加害者は被害者が住む地区の喫茶店を訪れ、被害者と会いたいと連絡したのだ。Aさんは「あたかも和解を強要するように当事者の意思を無視して接近してくることは明らかな二次加害だ。今後も謝罪受け入れを拒み続ければ、次は加害者が自宅の玄関前まで訪ねてくるかもしれないという不安を感じる」と訴えた。

 Aさんは2010年7月、警察署での実習に来た加害者から暴行を受けた。当時Aさんは歯が2本折れ、眼窩(がんか)骨折、頭蓋骨破裂など重傷を負い、傷害容疑で立件された加害者は退学処分となった。Aさんは当時の状況について、「酒に酔った加害者を自宅に送る過程で暴行に遭った。自分の母親が若者の前途を阻むのはやめようと考え、自分に代わりに加害者の母親と示談をした」と説明した。

 当時の事件はAさんとの示談成立で加害者が起訴猶予となり一段落したが、今年6月に法科大学院を経て弁護士になった加害者が警監(警部)特別採用に合格したことで再び論議を呼んだ。採用を担当した警察大学が、加害者の警察大退学経緯を知っていながら合格させたためだ。それが明るみに出ると、警察労組に相当する「ソウル警察職場協議会」は先月27日、「今回の特別採用過程に新任巡査採用など一般採用とは異なる基準が適用された可能性について、深刻な疑いがある」とし、「警察大生の身分で酒に酔い、現職警察官への暴力に及んだ過去の犯罪行為を採用過程で知らなかったとすれば制度的欠陥であり、それを知りながら採用したとすれば人事権者の責任だ」と批判した。

 今回の議論では、警察の被害者に対する態度に問題があったとの指摘がある。警察庁犯罪捜査規則第177条(被害者の秘密漏えい禁止)は「警察官は氏名、年齢、住居地、職業、容貌など被害者であることが分かる事実を第三者に提供、漏えいしてはならない」と明記している。

 さらに、警察庁は最近、事件・事故の被害者に対する二次加害犯罪を根絶するため、総警(警視正)級をトップとする「二次加害犯罪捜査チーム」を新設した。ある現役警察官は「同僚を暴行して退学処分になった人物であることを知りながら採用した理由が全く理解できない。加害者に別の背景があるのではないかと疑いたくなるほどだ」と話した。警察大関係者は「訪問した警察大職員が被害者と同期であり、個人的に解決しようとしたようだ。被害者の立場をきちんと考慮しない接近との指摘はその通りだ」と話した。

安相炫(アン・サンヒョン)記者

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