「憲法裁が政権に不利な決定しそうになったら『特別憲法裁』つくるのか」 内乱特別裁判部巡り韓国法曹界から批判の声

法曹界・学界、与党側の司法改革を批判
全国裁判官会議は25日に討論会

「憲法裁が政権に不利な決定しそうになったら『特別憲法裁』つくるのか」 内乱特別裁判部巡り韓国法曹界から批判の声

 進歩(革新)系与党「共に民主党」が推進する「内乱特別法」を巡り、法曹界や学界では「撤回すべき」という声が強まっている。内乱特別法は、特別裁判部をつくって12・3非常戒厳事件の裁判を任せる内容を含んでいる。特別裁判部の判事は国会・判事会議・大韓弁護士協会の推薦で構成される9人の委員会が推薦することになっている。

 弁護士団体「善き法を作る人々」の金炫(キム・ヒョン)常任代表は2日に声明を出し「裁判官の任命手続きに外部の人間を介入させる条項は、憲法秩序に正面から違反する」とした。ある弁護士は「憲法裁判所が政権に不利な決定を下しそうであれば『特別憲法裁』で代替したい、ということ」と語った。

 民主党が裁判所に圧力を加えようとして押し付けている、という声も上がっている。高裁の部長出身の弁護士は「結局のところ、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱裁判を担当する池貴然(チ・グィヨン)裁判長を交代させ、特別検察官が請求する令状を全部発布しろということではないのか」だとし「国会が裁判に影響力を行使したいという危険な発想」と語った。金大煥(キム・デファン)ソウル市立大学教授は「内乱裁判部を設置して尹・前大統領を断罪する判決が出ても、独立性が毀損(きそん)され、傷のある裁判として残るだろう」と述べた。

 民主党が推進している大法官(最高裁判事)の増員などについても「拙速」という指摘が相次いだ。ある部長判事は、裁判所の内部ネットワークに「国会の司法改革案は問題の本質と改革の方向についての検討が足りないとみえ、大ざっぱだという印象がある」とつづった。

 大法院(最高裁)は、8月29日に国会へ提出した意見書で「事件の積み重なりと停滞が深刻なのは上告審よりも一審・二審」と指摘した。大法院によると、一審の民事事件処理期間は2014年の252.3日から23年には473.3日と、10年間で221日も増えた。一審の刑事未済事件は9万278件から12万377件と、およそ3万件増加した。逆に、同じ期間に大法院の民事事件処理期間は39.2日、刑事未済事件は3997件減った。

 一方、全国裁判官代表会議は、今月25日に「上告審制度改善関連討論会」をオンラインで開くこととした。韓国各地の65の裁判所の代表判事126人を集め、司法改革についての意見を集約しようというわけだ。

キム・ウンギョン記者、パク・ヘヨン記者

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