走るのに相談(韓国語でサンイ)する必要はない。ただし、上衣(韓国語でサンイ)がなければ問題になるかもしれない。
ランニング人口1000万人時代を迎え、休日だった8月15日の夕方も汝矣島漢江公園はランナーたちでにぎわっていた。ふと遠くを見ると筋肉質の男性が大胸筋を揺らしながら走ってくる。遠くからでもものすごい揺れがはっきり見えたのは、男性が上裸状態だったからだ。翌日の日中も、京畿道盆唐(城南市)を流れる炭川の散策路で、同じように野生的な魅力を全身でアピールする上半身裸の男性ランナーの姿が見られた。このランナーに「また」遭遇したという会社員のハンさん(41)は「最近よく見かけるおじいさんなんですが、暑いのは分かるけど、見苦しいのも事実」と話した。
【写真】上半身裸はOK? 公園を走る男性と登山中の漫画家キアン84さん
「上裸族」が増えている。上半身を脱いだ状態で走るランナーたちだ。記録的な猛暑のせいだ。年齢・体形・職業は関係ない。上半身裸の短パン姿で登山道を走る漫画家のキアン84(本名:キム・ヒミン)さん(41)だけでなく、歌手のチョ・グォンさん(36)も8月21日、自ら「アルトン駆歩」(アルトン=力こぶ)と呼ばれる上半身裸のランニング写真をアップした。この日、ソウルの最高気温は34度だった。問題は、上裸族を巡る周囲の視線まで熱くなった(厳しくなった)という点だ。先月、炭川の散策路一帯は「上半身の脱衣は絶対禁止」と書かれた懸垂幕が10枚設置された。城南市庁の関係者は「子どもたちも多数歩いているのに見苦しい、という苦情が複数寄せられた」として「現場で『せめて薄手の服でも着てほしい』と口頭で伝えるなどの注意喚起を行っている」と説明した。
注意喚起にとどまっているのは、法的には制止することができないからだ。この問題は憲法裁判所まで持ち込まれた。自宅前の公園で上半身裸で日光浴をしていた男性が罰金5万ウォンの支払いを命じられたが、この男性は違憲法律審判を申請して裁判が行われ、2016年に憲法裁判所は、軽犯罪処罰法上の「過多露出」について「体を過度に露出するということがどういうことなのか、判断するのは容易ではなく、隠すべき部分の意味も把握が難しい」として違憲判決を下した。その後「公共の場で公然と」「性器・尻を露出した場合」という条項を追加する法改正が行われた。つまり、上半身を露出するだけなら合法なのだ。