日本並みの核燃料再処理を求める李在明政権、最大のハードルは米政権内の「非拡散スクール」

李在明大統領も訪米時に改正の必要性に言及

韓米原子力ハイレベル委員会の再開を求める声も

 8月25日(現地時間)の韓米首脳会談後、韓米原子力協定で禁止・制限されている「使用済み核燃料再処理」と「ウラン濃縮」の解禁に向け外交安全保障政策担当者などから「進展があった」という趣旨の発言が連日相次いでいる。韓国外交部(省に相当)の趙顕(チョ・ヒョン)長官は8月28日にメディアの取材に応じ「再処理と濃縮を通じてわが国も(原発)燃料を国内で再処理する必要性を感じてきた」「今回その方向でまずは協議を行うことにした」と述べた。韓国大統領府の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安全保障室長も8月31日のインタビューで「ウラン濃縮と再処理の側面でわが国がより幅広い権限を持つ方向で協議を行っている」「できるだけ日本と同じレベルの権限を持ちたいと思う」との考えを示した。

【写真】新月城2号機原発の核燃料貯蔵プール

 原子力発電で発生する使用済み核燃料の再処理を通じてプルトニウム239を抽出、あるいは使用済み核燃料に1%ほど含まれるウラン235を3-5%に濃縮すれば、再び原発の燃料として利用できる。しかしこのように得られたプルトニウムや20%以上の高濃縮ウランを使えば核兵器が製造できるため、再処理と濃縮は国際社会で制限されている。2015年に改正された韓米原子力協定も使用済み核燃料の再処理を禁じており、ウラン濃縮は20%未満の低濃度であっても米国の同意が必要とされている。ただし使用済み核燃料を保管する韓国国内26カ所の貯蔵施設は今後5年で飽和状態となるため、世界の原発5大強国の立場に見合った再処理と濃縮の権限が必要との声も力を得ている。

 ある与党関係者によると、李在明(イ・ジェミョン)大統領が非公開の昼食会でこの問題をトランプ大統領に伝えたところ、米国側の雰囲気も前向きだったという。ただしそれが米国の方針転換につながるかどうかは不透明だ。当初今回の韓米首脳会談で韓米原子力協定改正に向けた交渉開始が宣言されるとの見方もあったが、会談後も関連する発表は行われていない。与党のある幹部は「ウラン濃縮や再処理の権限強化を認めさせるには改めて協議が必要だが、韓国よりも米国の方がその事情が非常に複雑だ」と語る。

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