7年前にニュージーランドで自身の幼い子ども2人を殺害した後、遺体をスーツケースに入れて倉庫に遺棄し、逃走したとして起訴された韓国生まれでニュージーランドの市民権を持つイ被告(44)に、現地の裁判所が有罪判決を下した。AFP通信などの外信が23日(現地時間)に報道した。
報道によると、ニュージーランド・オークランド高等裁判所の陪審員団は23日、イ被告が子どもを殺害した後、数年間放置したとして有罪と認めた。このため、イ被告は今後の裁判で最大で終身刑、少なくとも10年間の仮釈放不可を言い渡される可能性が高くなった。
イ被告側は2018年の事件時、幼い子ども2人に抗うつ剤を飲ませた事実を認めながらも、「精神障害で心神耗弱状態だったため、殺人罪は無罪だ」と主張していた。また、「夫ががんで死亡して以降、家族全員が死んだ方がいいと考え、子どもたちに抗うつ剤を飲ませ、自分も一緒に飲んだが、服用量を誤って計算していたため目を覚ました」と述べていた。
しかし、陪審員団はイ被告側の主張を受け入れなかった。検察も「イ被告がうつ病だった可能性が高いのは事実だが、心神耗弱という弁護を裏付けるほど深刻ではなかった」と反論した。また、「イ被告は子どもたちのいない新たな人生を始めようという冷たい利己心により犯行に及んだ」とも述べた。事実、イ被告は犯行後、韓国に戻って改名を申請し、名前を変えていたことが捜査の結果、明らかになっている。
イ被告は2018年6月ごろ、ニュージーランドで9歳の娘と6歳の息子を殺害したとして起訴されていた。イ被告は子ども2人の遺体をスーツケースに入れてオークランドのある倉庫に保管し、同年下半期に韓国に逃亡した。その後、2022年に財政的困窮により倉庫の賃貸料を払えなくなり、倉庫内の保管品がインターネット・オークションにかけられた。
2022年8月、落札した現地の住民が、スーツケースの中から子ども2人の遺体を発見して通報したため、事件が発覚した。イ被告は1カ月後に蔚山市内で逮捕されてニュージーランドに強制送還され、直ちに拘束された。韓国で生まれたイ被告はニュージーランドに移住し、市民権を得ていた。
ムン・ジヨン記者