■それでも産業育成より普及を重視
専門家は再生可能エネルギーの普及目標値の達成だけにこだわった文在寅(ムン・ジェイン)政権の政策が、中国の市場掌握を加速させたと指摘する。ソウル科学技術大の劉昇勲(ユ・スンフン)教授は「国家温室ガス削減目標(NDC)達成だけに焦点を合わせるため、質より量に執着する政策的ミスを繰り返さず、自国の産業の保護と育成を共に考えていくべきだ」と指摘した。
しかし、李在明(イ・ジェミョン)政権も太陽電池普及を急ぐ路線に陥る可能性が高いと懸念されている。予算案を見ても、国内の太陽電池産業育成より普及に予算を集中させている。26年度予算案で再生可能エネルギー普及支援予算は前年比99%増の6000億ウォン(約630億円)であるのに対し、研究開発(R&D)予算は3350億ウォンで7%増にとどまった。
韓国政府が気候変化に対応するために産業通商資源部のエネルギー関連機能を気候エネルギー環境部に移管し、再生可能エネルギーによる発電目標を2030年までに100ギガワットに設定するなど、普及拡大に重点を置いている点も懸念を高める。昨年時点で再生可能エネルギーによる発電容量は34ギガワットだった。政府はタンデムセルの早期商用化を支援するため、9月19日に「太陽光R&D企画団」を発足させたが、早めに研究開発に乗り出した先進国の動きに比べればあまりに遅きに失するとの指摘が出ている。
李議員は「再生可能エネルギーを無条件に一定規模まで増やすというスローガンを繰り返すのではなく、自国の産業育成戦略でエネルギー安全保障を強化し、技術競争力を取り戻さなければならない」と訴えた。
チョン・ジュンボム記者