タイでBYDが人気を集める理由はずばり低価格だ。アソーク駅近くにあるBYDのショールームの従業員は「これまではブランド認知度だけで日本車を購入することが多かったが、BYDは価格が安く人気だ」と話した。タイで販売されているBYDのモデルは49万9900バーツ(約233万円)から購入可能だ。
トヨタ車の価格は車種によって異なるが、乗用車で最も安いのはヤリスATIV(エイティブ)で54万9000バーツで販売されている。トヨタの乗用車で最高価格のカムリは147万5000バーツからだ。ホンダ車の価格もトヨタと似ている。最も安い乗用車モデルのシティは59万9000バーツで、最高額モデルのアコードは147万9000バーツだ。
BYDがタイで販売しているのはAtto3(元プラス)、シール(海豹)、シール5、ドルフィン(海豚)、シーライオン(海獅)6DM-I、シーライオン7、M6の計7モデル。ショールーム従業員は「オート3とシーライオン7が最も人気で、スポーツ用多目的車(SUV)を好む客もいる」と話した。
現代自動車もタイ市場攻略に乗り出した。同社は昨年8月、10億バーツを投資し、タイにEV組立工場とバッテリーモジュール工場を着工した。来年からタイでアイオニック5などのEVを年間5000台生産する予定だ。
問題は価格だ。タイで現代車は性能は良いが、価格が高いという認識がある。タイ北部のチェンマイ空港近くのショッピングモール「セントラル・チェンマイエアポート」に設けられた現代自のポップアップストアの従業員は「現代車はタイ人が買うには高い」と語った。
展示されていたサンタフェの価格は174万9000バーツ、「クレタ」という現地名で販売されるツーソンは92万9000バーツ(約4021万ウォン)だった。タイで人気のスターリアの最安値は165万9000バーツだった。
バンコク・チェンマイ=チョン・ミハ記者