■米中対立とコロナ封鎖で教員不足
米中対立の激化とコロナによる封鎖措置の影響が重なり、経験豊富な外国人教員が大挙して中国を離れたことでインター校の衰退が本格化した。中国のある留学あっせん機関は最近ソーシャルメディアを通じ、英語が母国語である教員の割合が2019年の65%から昨年は18%に急減したことを明らかにした。中国の留学生関連メディアは「一部のインター校ではわずか6カ月の間に教員が3回も交代したケースが報告されている」と伝えた。外国人人口の減少でインター校の非アジア系学生の割合も30%未満に下がり、学校のアイデンティティーと教育品質が崩壊しているとの批判も出ている。
Cさんの息子のように人種対立に端を発するとみられる校内暴力事件も増えた。2023年、北京のあるインター校に子どもを通わせていた中国人の保護者は、ソーシャルメディアに告発映像を投稿。「400万元の学費を払ったが、(学校側は)子どもの校内暴力被害さえ防げなかった」と訴えた。
上海のインターネット掲示板には「インター校で白人学生がアジア系子どもをからかうすることが日常化した」という保護者の書き込みが相次いでいる。Cさんは「最近インター校は生徒の安全と成長よりも白人生徒の割合を管理し、『外国ブランド』のイメージを維持することだけに血眼になっている」と指摘した。
■広がる英語不要論 中国富裕層はSTEM中心の私立校に移動
最近中国上流層の間では「英語が人生の絶対兵器ではない」という認識も広がっている。過去には英語で授業を行うインター校に子供を送ることが「国際エリートコース」の出発点と見なされたが、今は中国の理工系人材育成の流れに従おうとする保護者が増えている。
Cさんは「今中国で英語より重要なのは科学と数学だ」とし、「上海ではSTEM(科学・技術・工学・数学)教育に集中する私立校に子どもを転校させようとする親が急速に増えている」と話した。実際中国の一部私立校は国内の名門大学入試に合わせたカリキュラムに転換し、「中国式名門私立学校」への変身を図っている。
純粋な外国系財団が運営するインター校がまるで恐竜のように絶滅し、中国地場のバイリンガル学校がそれに取って代わるとの見通しも示されている。高難度の英語授業と共に中国式の理数系教科を並行して教える中高一貫の私立校が上流層の子女の新たな選択肢になりそうだ。
北京=李伐飡(イ・ボルチャン)特派員