■議会での承認、原子炉の許認可など複雑
トランプ大統領の「フィラデルフィア造船所での建造」発表が正確にどういう趣旨なのかも、まだはっきりしていない。もし、韓国は原潜の技術を独自開発したが米国で建造せよという意味であれば、これは前例のないことで、原子炉開発と建設のための許認可などが難しいだろう―という見方がある。AP通信はトランプ大統領の発表内容を、米国の原潜技術を韓国と共有しようという趣旨だと解釈しつつ「最友邦の英国などにも与えなかった技術を提供することにしたもの」と評した。
もし米国の原潜を韓国に輸出したり、原潜建造技術をハンファオーシャンに移転したりするという意味であれば、トランプ大統領一人で「承認」できる問題ではない。米国は国際武器取引規則(ITAR)などを通して原潜関連の物資・技術の輸出を極めて厳しくコントロールしている。よって、国務省・国防総省・商務省・エネルギー省などの輸出規制審査を受けて、輸出規制の免除を受けるための米議会の別途の立法手続きと個別の承認なども経なければならない。こうした形で原潜を導入したら、引き続き米国の強いコントロールを受けることになる。そのぶん、米国の「核心同盟」になり、米海軍のための原潜建造事業などを受注できる可能性もあるが、李大統領が構想する「自主国防」とは隔たりがある。
■韓米原子力協定改正も別途推進すべき
現行の韓米原子力協定は基本的に「原子力発電」のためのものなので、原潜の燃料問題を解決するための別途の協定が締結される可能性が浮上している。これとは別に、既存の韓米原子力協定の改訂も引き続き進めなければならない。2015年に改訂された現行協定は、韓国が20%未満の低濃縮ウランも生産できないように制限し、使用済み核燃料の再処理は禁止した。韓国の原発技術は優秀でも、原発の燃料生産から使用済み核燃料の再処理までの完全な「原発サイクル」を完成できないという問題がある。
韓国政府の高官は「原潜配備のためにも協定に手を加えなければならないが、原潜はウラン濃縮権限および使用済み核燃料再処理とは完全に別個」だとし(これを推進する方向でやる場合)残る問題は協定の文言調整だけなので、大きな方向に変化はない」と語った。
中国の反発と日本の原潜確保動向なども注意すべき点だ。今年9月、日本の防衛省の諮問委員会は「次世代推進システム」で潜水艦隊を強化すべきだと提言したが、これは事実上、原潜配備を意味する。最近就任した高市早苗首相も、主要政策公約の一つにこれを挙げた。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者