ここで注目すべきなのは「ヤングフォーティー」を巡る議論が世代間対立を越えて社会全体に緊張と不安が生み出しているという点だ。MZ世代がヤングフォーティーをあざ笑うのは、単にその世代を攻撃しているのではなく、自分たちが苦しめられている現実的な制約と、チャンスの少なさに対する不満の表れという意味合いが強い。若者たちの不満はこれからますます高まるとしか考えられない状況だ。今年の第3四半期(7-9月期)まで、韓国の青年失業率(満15-29歳の経済活動人口のうち失業者の割合)は4期連続で悪化した。今年の年ベースの青年失業率は、コロナ禍以降で初めて上昇する見通しだ。住宅価格の急騰に加え、不動産規制も設けられ、若者たちの「住居のはしご(所得や資産の増加に伴って、賃貸から持ち家へと段階的に住環境を向上させていく過程)」は事実上先が閉ざされた。一方で中年層は、AIの波が押し寄せるという激変の中で、淘汰されまいと必死でもがいている。生存競争のプレッシャーの中、若者層の現実を理解しきれないケースもあるわけだ。
世代間で互いにいがみ合う現象が見られるのは、社会が健全でないというシグナルだ。過去にも世代間の対立はあったが、残ったのは社会的な疲労と分裂だけだった。対立を緩和するためには世代間の理解と共感が不可欠だが、それだけでは十分とはいえない。各世代が直面している構造的・現実的な困難を軽減する必要があり、実質的な支援策が整備されなければならない。若者層には安定した雇用と住居が、中年層には持続可能な生活の基盤が必要だ。
政界もまた、自分たちに有利な方向へと世代間の分断をあおるべきではない。今は全ての世代が手を取り合っても厳しい時期だ。社会全体の連帯がこれまで以上に強く求められている。
キム・スンボム記者