これら一連の計画には少なくとも4億3100万ウォン以上の国会予算がついているが、現時点で算定されていないそれ以外の施設設置費用はこれに含まれていない。本紙が入手した資料によると、国会本館外壁に光を照らし約20分の動画を映し出すメディアファサードには1億1820万ウォン(約1260万円)の予算がついている。これは文在寅(ムン・ジェイン)政権当時の青瓦台(韓国大統領府)儀典秘書官だった卓賢民(タク・ヒョンミン)氏が企画した。「民主主義はいかに守られるか」をテーマとする3部作の特集ドキュメンタリーも放映されるが、その制作と放映には9886万ウォン(約1050万円)が使われる。これについて国会事務処は「戒厳軍による民主主義の侵奪を身をていして阻止した国会関係者たちの勇気と献身を記録するドキュメンタリーを制作した」と説明した。映像には禹元植議長や共に民主党議員らのインタビューが主に記録されているという。国会は戒厳令当日から尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領弾劾までの過程などが記録された白書の発行も準備しているが、これには1億1050万ウォン(1173万円)の予算がついている。
「光の民主主義、消えない記憶」をテーマとする戒厳令当日の国会周辺の写真を集めた写真集には3157万ウォン(約335万円)が使われる。来月3-9日に国会の芝生広場で開催される写真展には6902万ウォン(約733万円)が支出される予定だ。今年の年末までに国会スタッフ、政党関係者、国会事務処職員らに支払われる戒厳令解除有功特別報奨にも数百万ウォン(数十万円)の予算がついている。
国会では12月3-5日にダークツアーが行われ、禹元植議長も3日には自らツアーのガイドを行う。ダークツアーとは戦争、災害、虐殺、大規模災害などが起こった悲惨な現場の観光だ。禹元植議長はツアーで自らが乗り越えた塀、戒厳軍のヘリコプターが着陸した国会広場、戒厳軍と対峙した国会議事堂2階玄関などを市民と共に回る。ただしこれら一連のイベントに対しては「特定の政党や人物だけが強調されている」との指摘もある。
盧錫祚(ノ・ソクチョ)記者、イ・セヨン記者