国民の力は来年度予算案に盛り込まれた大統領室特殊活動費、政府予備費などについても「ダブルスタンダード」だとして反対している。韓国政府は来年度の大統領秘書室と国家安保室による特殊活動費として82億5100万ウォンを計上した。大統領室の特殊活動費は大統領がさまざまな功労者に与える激励金、祝儀、弔意金、餞別や出所を明らかにしにくい国家安保室の保安活動などに充てられる。民主党は昨年11月の予算審査当時、尹錫悦政権の大統領室の特殊活動費を「不要な小遣い」「なくても国家運営に何の支障もない」などとし、82億ウォンの予算を全額削減した。民主党は昨年半分(2兆4000億ウォン)も削減した予備費を来年度予算案では4兆2000億ウォン規模に復活させた。予算決算委に所属する国民の力の議員らは例年並みの4兆~5兆ウォンの削減を主張している。
民主党は与野党が合意できない場合、予算案を政府原案通りに本会議に自動的に上程させる戦略も検討しているという。国会法によれば、予算決算委の来年度予算案処理期限は11月30日だ。与野党がそれまでに合意できなければ、予算案は12月1日の本会議に自動的に上程される。民主党の朴智慧(パク・ジヘ)広報は記者団に対し、「最大限予算決算委での合意を試みる」としながらも、「難しければ政府案が本会議に上程され、その後に修正案を上程する方式で進みそうだ」と説明した。
しかし、民主党にとっては、李在明政権初の予算であるだけに、土壇場まで野党との合意を引き出そうとするとの見方も出ている。民主党の朴洙賢(パク・スヒョン)首席広報は「院内代表団を中心に与野党間で争点の合意を試みるための協議が予想される」と述べた。与党関係者は「大統領は最近『野党の主張に一理があるならば、思い切って予算を採択しろ』と述べている」とし、「昨年史上初の予算案野党単独処理に続き、今回も与野党合意のない予算案を成立させることは国政にとっても負担だ」と話した。
このため、与野党が水面下の交渉で合意点を探るとの見方もある。特に与野党間で地域の陳情に基づく予算をねじ込むなど妥協の可能性も指摘されている。予算決算委関係者は「与野党いずれも昨年、地域予算を確保できず、今年は必要だ。陳情を行う議員も以前よりはるかに増えた」と語った。
シン・ジイン記者、イ・セヨン記者