国民の力では、張東赫(チャン・ドンヒョク)代表を筆頭に議員およそ10人が秋議員の釈放を待った。張代表は、秋議員が帰宅した後、「国民が独裁に勝った」「韓国の法治が生きていることを確認した」と語った。宋彦錫(ソン・オンソク)院内代表も「事必帰正(物事は必ず正しきに帰する)」「韓国司法府の良心が生きているという点を感じる」と述べた。
秋議員に対する勾留状の実質審査は、前日(2日)午後3時から午後11時53分まで行われた。特検側からは朴億洙(パク・オクス)特検補と崔在洵(チェ・ジェスン)部長検事など7人が令状審査に出席し、741ページ分の意見書と304ページ分のプレゼン資料を基に秋議員勾留の必要性を主張した。秋議員側も120ページ分のプレゼン資料を準備し、戒厳解除を妨害しようとする故意はなく、非常戒厳宣布当日には違法性についての認識がなかった―という趣旨で対抗したという。
特検側は、昨年12月3日の戒厳当日、当時国民の力の院内代表を務めていた秋議員が、午後11時22分ごろに尹錫悦大統領との電話で戒厳への協力要請を受け、国民の力の議員たちが戒厳解除要求案の票決に参加するのを妨害する目的で議員総会の場所を3回変更した、と主張した。また、秋議員など国民の力の関係者たちが特検の捜査に協力しないことを「証拠隠滅の恐れ」の事由として主張したという。しかし裁判所は、犯罪容疑疎明の程度や証拠隠滅の恐れが十分ではないと判断したのだ。
秋議員に対する勾留状が棄却されたことで、内乱特検の捜査の核心である「戒厳解除票決妨害疑惑」の捜査は、意味ある結果を得ることなく終わる可能性が高まった。部長判事出身のある弁護士は「特検が、野党を違憲政党に仕立てようという政務的判断にきゅうきゅうとして、ろくな証拠もなく無理に令状を請求したようだ」と語った。
キム・ウンギョン記者、イ・ミンジュン記者