「ロシア、誘拐したウクライナの子供に北朝鮮で反米・反日思想教育」  米上院公聴会

「ロシアが拉致した2人の子供が北朝鮮の収容所に」
「抵抗すればテロリストに指定」
ロシア「子供たちは避難させた」

 ロシア軍に誘拐されたウクライナの子供たちが北朝鮮の収容所に送られ、反米・反日思想教育を受けるなど、強制的に同化教育を受けていることが分かった。

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 米連邦議会上院予算委員会で4日に行われた公聴会の記録によると、ウクライナ「地域人権センター」の法律専門家カテリーナ・ラシェウスカ氏は同委員会で「ウクライナ東部でロシア軍に誘拐された少なくとも2人の子供が北朝鮮の収容所に強制的に送られた」と主張した。ラシェウスカ氏は「占領されたドネツク州出身の12歳の少年ミシャと16歳の少女リザは生まれ故郷から約9000キロ離れた北朝鮮の松濤園キャンプに送られた」と証言した。松濤園キャンプは江原道元山の海沿いにあり、国際少年団キャンプがあると伝えられている。ロシアと北朝鮮の交流拡大を受け昨年7月から毎年夏にロシアの子供たちがこのキャンプに来ているようだが、ウクライナの子供2人が送られたのがこの場所かははっきりしていない。

 ロシア軍によるウクライナの子供誘拐は2014年のクリミア半島併合当時からずっと問題視されてきたが、その一部が北朝鮮に強制的に移住させられたとの証言が出たのは今回が初めてだ。地域人権センターによると、子供たちは「希望の列車」と呼ばれるプログラムなどで占領地からロシア、ベラルーシ、北朝鮮などに強制的に送られているが、その多くはロシア国内の家庭に委託され養子縁組されているという。ロシアはさらに少なくとも165カ所の再教育施設を運営し、軍事化・ロシア人化教育を行っているようだ。ロシアはこれを誘拐ではなく「避難」と主張している。

 誘拐された子供たちが収容所で反日・反米思想の洗脳を受けている疑惑も浮上した。ラシェウスカ氏は「子供たちは『日本の軍国主義者たちを破壊せよ』などと教育を受け、プエブロ号を拿捕(だほ)した北朝鮮軍兵士にも面会した」とも証言した。北朝鮮は1968年に元山沖合で米海軍の情報収集艦「プエブロ号」を拿捕し、1人の遺体を含む乗組員83人を11カ月にわたり抑留した。ラシェウスカ氏は「ロシア化に抵抗する子供たちは過激派やテロリストに指定される」「ウクライナ語の使用や民族のアイデンティティーを示すことも禁じられている」とも指摘した。

ソ・ボボム記者

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