李在明大統領「韓国国民が北に抑留されているなんて初耳」発言に拉致被害者家族会反発「被害者無視の妄言」

 李在明(イ・ジェミョン)大統領が外信向けの記者会見で、北朝鮮に抑留されている韓国人の問題について「初めて聞く話」と言ったことを巡り、6・25戦争拉致被害者家族会が「妄言」だとして政府を批判した。

 6・25戦争拉致被害者家族会は5日に声明文を出し「拉致された家族を75年間待ってきた被害者たちの前で、大統領が『初めて聞く話』だと言ってうろたえる様子に、悲痛さと憤怒を感じた」「キム・ジョンウク宣教師、崔春吉(チェ・チュンギル)宣教師、コ・ヒョンチョル氏、キム・ウォンホ氏、ハム・ジンウ氏など少なくとも6人いると推定される北朝鮮抑留韓国人の家族に、同病相哀れむ惨憺(さんたん)たる心情で慰労を送る」とコメントした。

【写真】韓国人が北に抑留されていることについて「初耳だ」と言う李大統領

 李大統領は今月3日、青瓦台迎賓館で開かれた外信向けの記者会見で、「北朝鮮に抑留されている韓国国民の釈放のためにどのような努力をするつもりか」という質問を受けた際、「初めて聞く話」と答えた。続いて李大統領は「韓国国民が捕まっているというのは本当か」とブレーンに尋ね、北朝鮮が韓国国民を10年以上も抑留している状況なのに、大統領がこの事実すらきちんと認識できていないのではないか―と物議を醸した。それほどまでに、政府内において北朝鮮抑留国民の問題についての議論と情報共有が不足しているのではないか、という指摘も出た。

 家族会は「6・25戦争当時の北朝鮮の組織的・計画的拉致作戦によって連行された父母・兄弟たちの生死の確認と送還を、75年間待ってきたが、数多くの南北会談にもかかわらず、ただの一人の生死も確認できなかった」「わずか十数年前の抑留事件すら『ひどく昔のことだから分からない』と言うのであれば、75年前の戦時拉致問題は果たしてどれほど理解しているだろうか」と批判した。

 また家族会は、「北朝鮮における人権に関する国連調査委員会(COI)」の2014年の報告書が北朝鮮による強制失踪(拉致)を人道に反する犯罪と規定し「強制失踪からの全ての者の保護に関する国際条約」が被害者の真相究明・賠償の権利を確認しているにもかかわらず「韓国政府は2023年2月の条約発効後、実質的措置を取っていない」と主張した。

 さらに家族会は韓国政府に対して、拉致被害者・抑留者・国軍捕虜問題を扱う専門の部処(省庁)を大統領直属で新設し、政権が変わっても廃止できないように制度化することなどを要求した。

ク・アモ記者

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