オキャロル記者は「私は金正恩(キム・ジョンウン)体制下の米国人、カナダ人、さらには日本人などの外国人拉致被害者を取材してきたが、韓国人拉致被害者に限ってはほぼ完全な沈黙が続くことに疑問を抱いてきた」「進歩・保守両陣営のいずれも拉致被害者を帰還させるために政治的リソースをほぼ使ってこなかった」と指摘した。その後、文在寅前政権で国政状況室長を務めた与党・共に民主党の尹建永(ユン・ゴンヨン)議員は自らのフェイスブックに「文在寅政権が拉致被害者対策を何もしてこなかったとこの記者が断定して語ったことは非常に遺憾」として「事実関係に基づかない報道姿勢は無用なフェイクニュースを広めるだけだ」と批判した。これに対してもオキャロル記者は「(私の質問は)特定の政府を念頭に置いたものではない」「拉致被害者家族に明確な情報を提供し、同時に李在明政権としての計画(があれば)、それを国民に伝えようとしただけだ」と反論した。
オキャロル記者は「ジャーナリストの仕事は論評ではなく質問だ。そのため李在明大統領の無知に驚いた私の反応がおそらく不適切だったのだろう」としながらも「会見後に魏聖洛室長が私に近づき、行方不明中の韓国国民について平壌と協議を行う考えを強調し、非転向長期囚を北朝鮮に送還する準備もできていると伝えた」と明らかにした。オキャロル記者はその上で「NKニュースが魏聖洛室長の言葉を伝えると、青瓦台(韓国大統領室)が(私に)繰り返し連絡してきて、『非転向長期囚の送還は北朝鮮が韓国人拉致被害者を送り返すこととは関係ない。つまり『交換』を提案するという意味ではない』と説明した。この二つの問題が関係ないのなら、(魏聖洛室長が)なぜ同時に語ったのか今も理解できない」と疑問を呈した。オキャロル記者は保守陣営に対しても「見知らぬ人間からも知人からも『非常に勇敢だ』とのメッセージがたくさん届いている。私が保守陣営にとって便利な武器になるとは予想もしていなかった」とのコメントも残した。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)記者