チャ氏は本紙の電話インタビューに応じた際「韓米両国が不法構造物の座標を公開すれば、正確な位置情報を把握でき、衛星写真も確保できるだろう」「座標が公開されればわれわれのような研究者にとって本当に役に立つ」との考えも示した。2020年12月にウクライナ戦争が始まった際、北朝鮮によるロシアへの武器支援疑惑を巡り、当時のバイデン政権は北朝鮮とロシアの雇い兵企業「ワグネル」との武器移動を示す衛星写真を公開した。チャ氏はこのことに言及した上で「同じような資料やデータがあれば、西海で今何が起こっているか正確に把握できる」と述べた。
チャ氏は西海の現状とその深刻さを問う質問に「過去に南シナ海で起こった状況と同じで、手遅れになるまで誰も深刻には考えなかった」「中国の行動は韓国との協定に明らかに違反している。韓国の現政権は中国との関係に非常に気を使っているので、この問題が公になることを望まないだろうが、いつか中国が西海の統制権を主張する事態となるのは(誰も)望まない」と警告した。チャ氏は「韓国は米国をはじめ、日本やフィリピンなど中国の影響圏にある全ての国と共に、中国に対してその行動の問題点を指摘し、交渉を求めるなど多国間による解決を模索すべきだ」と提案した。
これについて米ヘリテージ財団のスティーブ・イエーツ上級研究員も本紙のインタビューに応じた際、中国が西海で行使している戦術について「南シナ海に(中国独自の領海概念である)九段線を描き、紛争海域化する手口と全く同じだ」とした上で「韓国の生存は海上で国際規範が守られるかどうかに懸かっている。今のゴールデンタイムを逃せば西海は南シナ海のようになるだろう」と警告した。先月韓米両国が公表したファクトシートには台湾海峡での一方的な現状変更の試みに対する反対、航行と上空飛行の自由順守、国際法に沿った形での全ての国による領有権主張など、中国を念頭に置いた文言が数多く含まれていた。
これと関連して韓国外交部(省に相当)当局者は「韓国政府は正当かつ合法的な海洋権益は侵害されるべきでないとの立場を堅持し、中国側と実務レベルでの交渉を続けている」「外交ルートを通じた協議の細かい内容は明かせないことを理解してほしい」とコメントした。
ワシントン=金隠仲(キム・ウンジュン)記者