韓国勢の「10秒の壁」突破はいつ? 「タイのウサイン・ボルト」9秒94でアジア歴代3位 

中国と日本に続きタイでも100メートル9秒台

■10秒07で精いっぱいの韓国陸上界

 男子100メートルの韓国記録は見る影もない。2017年に江原道旌善で開催された「コリア・オープン国際陸上競技大会」で金国栄が出した10秒07が最高で、その後はこれに近づく選手も出ていない。先日現役を引退し韓国代表チームのコーチとなった金国栄は「タイで9秒台が出たことで後輩たちには危機感を持ってほしい」「私の記録を目標にせず、アジア・トップクラスを上回る目標を持って走るべきだ」とげきを飛ばした。

 ただ韓国にも希望はある。ナイジェリア人の父と韓国人の母の間に生まれたナマディ・ジョエル・ジン(19)が昨年高校生ながら10秒30の好タイムを出し、今年から醴泉郡庁の陸上チームに入りトレーニングを続けている。一方で専門家は「個人の才能に頼るのではなく、優れたコーチによる計画的なトレーニング、スポーツ科学、国際大会での経験など全てが必要だ」とアドバイスする。

 タイのブーンソンも歴史的な記録を出すには周囲の支援が欠かせなかった。タイ陸上協会(AAT)はSEAに向け、米国のジェントリー・ブラッドリー氏をコーチに迎え代表チームの強化に取り組んだ。ブラッドリー氏は1998年の全米屋外陸上競技大会男子200メートルで優勝した経歴を持つ。ブラッドリー氏はブーンソンの弱みとされたスタート時と前半の加速を向上させるため60メートル走を繰り返し行わせたという。ブーンソンはSEAで10秒の壁を破った直後「3-4カ月前にやって来た外国人コーチとのトレーニングが大きなプラスになった。新しいコーチの指導で特に筋トレに力を入れたことが良かった」とコメントしている。タイのメディアによると、ブラッドリー氏はブーンソンに走り方はもちろん、筋力強化や大会直前のコンディション調整などあらゆる面でアドバイスを行ったという。

ヤン・スンス記者

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