中国の圧力にも動じない高市首相、70%台の高支持率を維持

就任から2カ月連続で異例の支持率上昇、その理由とは

(2)高まる反中感情

 1カ月以上続いている中国との対立は、むしろ高市内閣の支持率にプラスに作用しているとみられる。朝日新聞の調査では、回答者の89%が高市首相の中国に対する姿勢を肯定的に評価すると答えた。共同通信の調査でも「台湾有事発言」が不用意だったと考える人は回答者の36.7%にとどまり、57%は「そうではない」と答えた。また、「日本政府はパンダ貸与期間の延長のために中国と協力すべき」と答えた人は26%で、必要ないという回答は70%に上った。反中感情のおかげで、現時点では中国との対立が政治的なマイナス要因とはなっていないというわけだ。

 日本ではここ数年で、コロナ禍に加え、中国人移住者の割合の増加もあり、対中感情が急激に悪化した。今年7月の参議院選挙で、反移民感情をあおり、「日本人ファースト」のスローガンを掲げた参政党が善戦したのもこうしたことが背景にある。

(3)人間性への好感

 日本では2000年以降の首相10人のうち、7人は「世襲政治家」だ。それとは対照的に、自力で地位を築いた「たたき上げ」で「日本初の女性首相」となった高市首相は、その気さくな姿が大衆には好意的に受け止められていると日本メディアは分析している。「俺たちの早苗」という言葉が流行するほどの人気ぶりだ。

 高市首相は、お堅いイメージの歴代各首相とは異なり、就任後も常に笑顔で親しみやすいイメージを強調している。議会での「家にネットショッピングの箱が積み上げられている」「家で自分で髪を切って失敗した」などの発言は、その庶民的なイメージが共感を呼んだ。今月1日に行われた行事では、人気アニメーション『進撃の巨人』に登場するせりふ(「いいから黙って、全部オレに投資しろ!」)」を引用し、話題になった。高市首相が使っているいわゆる「早苗バッグ」や安価なボールペンも人気を集めている。専門家らは「自民党であれば無条件に支持する『岩盤支持層』とは別に、新たな支持層が形成されている」と指摘した。

 ただし今は支持率の高い状態が続いていても、中国による経済制裁の長期化などで経済への打撃が目に見えて大きくなれば、支持率が急激に下落する可能性があるとの見方も出ている。今回の朝日新聞の調査でも、中日の対立が経済に与える影響について「心配だ」(53%)という人が「心配ではない」(45%)をやや上回った。

キム・ボギョン記者、成好哲(ソン・ホチョル)東京支局長

【グラフ】高市首相の支持率推移

前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • ▲写真=NEWSIS
  • 中国の圧力にも動じない高市首相、70%台の高支持率を維持

right

あわせて読みたい