止まらないウォン安、韓国政府は口先介入に終始

 市場には外国為替当局が口先だけで実際の介入には乗り出さないという分析もある。外貨準備高はむしろ増えている。韓国銀行によると、韓国の外貨準備高は5月に4000億ドル割れが懸念されたが、6月以降5カ月連続で増え、10月末には4288億ドルを記録した。外国為替市場関係者は「当局が介入意思を明らかにするたびにウォン相場の底が抜けている。(当局は)実弾のない『張り子の虎』のようだ」と話した。

 釜山市の海洋水産部臨時庁舎で23日に開かれた閣議での冒頭発言で、李在明(イ・ジェミョン)大統領はウォン安問題には触れなかった。最近続いた経済省庁の業務報告でも、為替相場に対する直接的な議論はなかった。

■スーパー円安に日本は強硬に口先介入

 ウォンは他の通貨に対しても下落している。英ポンドに対するウォン相場は同日、10ウォン近く下落し、金融危機以来初めて1ポンド=2000ウォンを割り込むなど、主要通貨に対するウォン相場は、世界的な金融危機以来最も下落している。貿易構造と各国の物価差を反映した実質実効為替レートは、既に通貨危機や金融危機並みの水準だ。国際決済銀行(BIS)によると、11月末時点で韓国の実質実効為替レート指数は87.1で、主要64カ国で最下位の日本(69.4)の次に低い。同指数は数値が低いほど通貨価値が低いことを意味する。金融危機直後の2009年4月末(85.5)、通貨危機直後の1998年11月末(86.6)と並ぶ水準だ。

 ウォンと同様の傾向を見せていた円には方向転換の兆しが見える。日本はこのほど30年ぶりに政策金利を従来の0.5%から0.75%に引き上げたが、それでも円安が進むと、当局が強い口頭介入に乗り出した。片山さつき財務相は23日の閣議後の記者会見で最近の円安について、「ファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない」「行き過ぎた動きには対応を取る」と警告した。これを受け、前日に1ドル=157円40銭まで下落した円相場は155円90銭まで戻した。

キム・ウンジョン記者、郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者

【グラフ】ウォン相場の推移と各国通貨の騰落率

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  • ▲1ドル=1484ウォン。ソウル市内のハナ銀行ディーリングルームのディスプレー/23日、パク・ソンウォン記者
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