■財団設立し懸案請託…政治家への支援も
旧統一教会は世界本部を頂点に各界各層にさまざまな組織を設けている。例えば、統一グループは各種リゾートや建設会社、報道機関などを保有する事業体で、これを通じて得られる収益で各種財団を設立・運営していると言われている。
旧統一教会が宿願としている事業は主に非営利財団を通じて推進されてきた。「韓日海底トンネル」建設のために設立した世界平和道路財団がその代表的な例だ。旧統一教会側はこの団体を通じて韓日海底トンネル関連セミナーなどのイベントを開き、会場に政治家を呼ぶ方式で請託してきた。特に、林鍾聲元議員は同財団の名称変更に力添えしたことが明らかになった。2017年11月20-22日のTM(True Mother、真のお母様=韓鶴子総裁)報告には「林鍾聲元議員の協力を得て世界平和トンネル財団を世界平和道路財団と英文名ワールド・ピースロード財団に名称変更し、承認を受けた」と書かれている。
このほか、孝情国際文化財団傘下の孝情文化院は、田載秀議員の本『温かい息』500冊を購入するなど、間接的に政治家を支援していた状況も明らかになった。田載秀議員の本購入は2019年11月、ユン・ヨンホ元世界本部長が孝情文化院長を務めていた時に行われたものだ。
■NGOは政治家との接触窓口として利用
旧統一教会は関連機関としてNGOを作り、政治家と交流するルートとして利用した。2005年に設立されたUPFは南北統一や平和問題に関して国内外で活動を行う団体だ。旧統一教会は同団体について、「国連経済社会理事会で『包括的協議地位』を得るなど、世界的に公信力のある団体だ」と主張している。しかし、UPFも政治家を動員して同教会の勢力を拡張する手段になった。ユン・ヨンホ元世界本部長が2022年韓国大統領選挙を前に与野党の政治家と接触を試みた「ワールド・サミット」もUPFが主管する催しだった。
旧統一教会は2016年、UPF傘下の対外交流機構「世界平和国会議員連合(IAPP)」も設立した。これには元政治家や現職の政治家たちが直接会員として参加したという。林鍾聲元議員はIAPP韓国議長を務めたことがある。IAPPは金奎煥元議員も顧問を務め、顧問料1400万ウォンが支給されており、2018年に開催した行事には旧統一教会で金品を受け取った疑惑が持たれている田載秀議員、林鍾聲元議員、金奎煥元議員が出席した。
キム・ナヨン記者、イ・ギウ記者、イ・ミンギョン記者