趙垠奭(チョ・ウンソク)内乱特別検察官(特検)が13日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に死刑を求刑した。尹・前大統領が12・3非常戒厳に関連して昨年2月に内乱首謀者容疑で起訴されてから、352日を経ての求刑だ。
ソウル中央地裁刑事25部(裁判長:池貴然〈チ・グィヨン〉部長判事)の審理で開かれたこの日の結審公判で趙特検は、尹・前大統領の非常戒厳宣布を「憲政史において前例を見いだし難い『反国家勢力』による重大な憲法秩序破壊事件」と決め付けた。その上で特検は「尹・前大統領は反省の気配もなく、下級者に責任を転嫁するなど、減刑事由が全くないので『法定最低刑』である無期刑は量刑原則に合わない」とし「法定刑のうち、最低刑ではない刑は『死刑』しかない」と述べた。さらに「大韓民国が事実上死刑を執行しない国だとしても、死刑には、共同体が裁判を通して犯罪対応の意志とそれに対する信頼を具現する意味がある」と付け加えた。
尹・前大統領は、2024年12月3日に法定要件を備えていない違憲・違法な非常戒厳を宣布し、韓国軍と警察を国会や中央選挙管理委員会に投入するなど国憲紊乱(びんらん)を目的として暴動を起こしたという疑いが持たれている。違法な布告令を根拠に政治家を令状なしで逮捕・拘禁するように指示するなど、軍・警に義務のないことをやらせた職権乱用の容疑もある。特検チームは、尹・前大統領について「軍と警察を動員して立法・司法権を掌握し、政治的反対勢力を一挙に除去し、権力を独占して長期にわたり権力を握ることを目的として23年10月以前から非常戒厳を手段とする内乱を準備した」とした。
尹・前大統領側はこの日の最終弁論で「最小限の非武装兵力のみを動員した対国民メッセージ戒厳を内乱とは言えない」「一切の適法手続きを無視して現職大統領を逮捕しようとする試みは明白な内乱」だと主張した。この事件の判決言い渡しは2月19日に行われる予定だ。
■尹・前大統領、死刑求刑の瞬間には笑いながら首を横に振る…傍聴席からは大声や悪口
「被告人・尹錫悦に死刑を求刑します」
13日午後9時35分、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀者容疑事件の結審公判が開かれたソウル中央地裁417号大法廷。趙垠奭内乱特検チームの朴億洙(パク・オクス)特検補が尹・前大統領に死刑を求刑すると、傍聴席からは「でたらめだ!」などの大声や悪口が飛び出した。硬い表情で朴特検補の求刑意見を聞いていた尹・前大統領は、あきれたように笑いながら首を横に振った。
朴特検補は「尹・前大統領は野党の立法活動と公職者弾劾、予算削減などを内乱を画策する反国家行為だとして非常戒厳を宣布したが、親衛クーデターに加わったり黙認したりした人々こそ、尹錫悦などの憲政秩序破壊に同調した『反国家勢力』と評価されて当然」と糾弾した。