IPIはまた、「同法は政権党の強い影響下にある放送メディア通信委員会に法律解釈と適用の広範囲な裁量権を与えている」と指摘した。事実、この改正法では、損害賠償請求訴訟の対象となるメディアやユーチューブ・チャンネルなどは大統領令で定めるとしている。主務部処(省庁)は新たに発足した放送メディア通信委員会になる見通しだ。これに対して野党や市民団体などからは「事実上、政府の意向通りにメディアに対して巨額の課徴金を賦課できる道が開かれた」という批判が出ている。
IPIはさらに、「この法案に対する多くの批判が、これまで進歩系与党と軌を一にしてきた政府寄り団体・市民団体からも出ており、『韓国の法体系上、虚偽報道・ヘイトスピーチ(憎悪発言)被害者救済策が既にある状況で、過度に懲罰的であり、不必要だ』という声が上がっている」としている。
IPIは同日の声明で、「国会議員たちは『法案の広範囲な文言が韓国憲法上の明確性の原則に違反する。違憲だ』と主張してきた。進歩系の国会議員や市民社会が求めた、言論の自由に対するより大きな保護を明文化する条項は最終法案から外された」とも述べた。事実、与党・共に民主党は情報通信網法改正を推進する段階で、副作用防止策として掲げた「事実適示名誉毀損(きそん)罪」廃止と「虚偽事実流布による名誉毀損に対する親告罪適用」を最終法案では全て外してしまった。これに対してメディア界や市民社会では「メディア報道に加えられる『刑事処罰リスク』は依然高いのに、過度な懲罰賠償まで加わった」と批判の声が上がっている。
スコット・グリフィンIPI事務総長は同日、「IPIはこの立法が韓国の記者やメディアを検閲し、処罰するのにどのように使われるのか、強く懸念している。韓国政府は直ちに法施行を中止し、メディア界および市民社会と協議して、この法案が表現の自由や言論の自由などの人権に及ぼす危険性を独立的に評価した上で、立法内容を修正あるいは完全に廃止すべきだ」と強調した。
ユン・スジョン記者