韓国国会では29日に本会議を開き「半導体産業競争力強化および支援に関する特別法」(半導体特別法)など与野党間で争点がない法案91件を通過させた。李在明(イ・ジェミョン)大統領が27日の国務会議(閣議)で「国会が遅すぎて仕事ができない状態だ」と言ったことから、その2日後に与党主導で、これまで国会で止まっていた法案が多数処理された。政界では「結局、国会が国民の生活より政略を優先したために、とっくに成立していたはずの半導体特別法などの立法が遅れる一方だったのではないか」と批判の声が上がっている。
与党・共に民主党が内乱専門担当裁判所設置法や第2次総合特別検察官(特検)法などを一方的に推進し、最大野党・国民の力がフィリバスター(議事進行を妨げる目的の長時間の演説)で対抗したため、昨年末から国会は事実上空転してきた。このため、常任委員会・法制司法委員会を通過した後、同日の「大量通過」前まで国会本会議で止められていた法案は計176件に達した。
共に民主党は当初、国民の力が反対している「法歪曲(わいきょく)罪」新設(刑法改正案)、「4審制」だとの議論がある裁判訴願法(憲法裁判所法改正案)、大法官(最高裁判事)増員法(裁判所組織法改正案)などを1月中に本会議に上程・処理する方針だった。ところが、国民生活関連法案の処理が遅れていると指摘されると基本姿勢を変え、李大統領が「迅速処理」を注文した翌28日、国民の力と「非争点法案」だけを上程して処理することで合意した。このため、止められていた法案の半数以上が29日に直ちに可決された。
ただし、「敵国」ではなく「外国」のスパイ行為に対する処罰も可能にするスパイ法(刑法第98条)改正案は同日の本会議に上程されなかった。与野党の間で意見の相違はないが、共に民主党が推進中の「法歪曲罪」などの刑法改正案と関連性があることが問題になった。共に民主党は判事・検事が法を歪曲して捜査と裁判を進行したと判断されれば、刑事処罰する条項を刑法に新設しようとしているが、国民の力は反対している。政界関係者は「争点になっている法案が争点のない法案の足を引っ張った格好だ」と話す。
同日処理された半導体特別法は「半導体クラスター」指定と補助金支給、電力・用水など関連基盤施設の拡充、予備妥当性免除などの内容を骨子としている。経済団体は同法案が韓国半導体産業の世界における競争に役立つ「制度的基盤」になる可能性があると歓迎している。