「心停止女性にAED、ブラを外さないで」 韓国で5年ぶり心肺蘇生術の指針改訂

 韓国疾病管理庁が、女性の心停止患者に対するAED(自動体外式除細動器)の使用方法について新たな指針を示し、ブラジャーなどの下着を脱がさずに使用するよう勧告した。体の露出や接触を懸念して女性へのAED使用をためらうケースが多く、女性への適用率が低いことを勘案したものだ。

【写真】ブラをつけたままAED装着 男性教授が実演

 疾病管理庁と大韓心肺蘇生協会は1月29日、2025韓国心肺蘇生術ガイドラインを5年ぶりに改訂し、このような内容を盛り込んだことを説明した。心肺蘇生術の順序はこれまでの指針を変えていないが、胸部圧迫の際には救助者は利き手を下にするよう勧めている。

 また、患者が女性の場合、ブラジャーを外さず位置をずらすだけにし、胸の組織を避けてAEDの電極パッドを肌に貼るようよう勧めている。下着を横にずらし、2枚のパッドの一つを右の鎖骨と乳頭の間に、もう一つは左の脇腹に貼ればよい。

 南ソウル大応急救助学科のイ・チャンヒ教授は「女性に対する心肺蘇生術に関する部分が最も悩ましかった」として「動物実験の結果、(下着の)一部にワイヤーが入っていても電気衝撃には大きな影響がないことが確認された」と説明した。

 イ教授は「妊婦で腹部が大きく膨らんでいる場合は、膨らんだ部分を避けて腹部の上を圧迫すればよい」「心肺蘇生術を施している間、周囲の人が腹部を左方向に少し押してやると血流がさらに良くなる」と説明した。

 満1歳未満の乳児については、これまでは救助者が1人の場合は「指2本圧迫法」、2人以上いる場合は「両手で乳児の胴体を包むように挟み、親指2本で胸を圧迫」する方法を勧めていたが、今回の改訂では、救助者の人数に関係なく両手で乳児の胴体を包み込んで親指2本で圧迫する方法を進めている。疾病庁は、この圧迫方法のほうが圧迫する際の力や深さを一定に保つことができる上、指の痛みや疲労という面でも望ましいと説明した。

 水に溺れて心停止状態になった場合、人工呼吸を含む標準心配蘇生術を施すよう勧告した。その場に居合わせた人が一般人で、人工呼吸を習ったことがないか人工呼吸を躊躇している場合には、胸部圧迫蘇生術を行うよう勧めている。

 成人および満1歳以上の小児で、気道に異物が詰まっている場合は、これまでと同様に患者の背中をまず5回たたき、効果がなければ腹部を5回強く突き上げる(ハイムリッヒ法)を実施する。

 乳児の場合は臓器損傷の恐れがあるため腹部の圧迫は勧めていない。その代わり、背中を5回たたく方法、胸部を5回押す方法を繰り返す。胸部を押す場合、手のひらと手首の間にある指の付け根の膨らんだ部分(手掌基部)で強く押す「片手手掌基部圧迫法」を勧めている。

 昨年、韓国での急性心停止患者の発生数は計3万3334件で、人口10万人当たり64.7人だった。急性心停止を目撃した人がすぐさま心肺蘇生術を施した場合、そうでない場合に比べて患者の生存率が2.4倍上がり、脳機能の回復率は3.3倍高くなる。

 大韓心肺蘇生協会の黃成五(ファン・ソンオ)理事長は「心肺蘇生術のガイドライン改訂は、国内外の最新の研究結果など科学的根拠に基づいて行われた」「臨床の根拠と各分野の専門家の合意を経て進められたため、実際の現場や教育課程で幅広く活用されることを願っている」と述べた。

チェ・ヘスン記者

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