裁判部は、尹・前大統領が戒厳を決心した時期を12月1日ごろとみた。裁判部は「野党が多数を占める国会が無理な弾劾訴追と一方的な予算削減の試みで政府を無力化しているという考えに過度に執着し、12月1日、これ以上我慢できないとして武力で国会を制圧しようと決心したものとみられる」と述べた。
「韓国憲法上の非常戒厳の要件である戦時・事変でないにもかかわらず戒厳を宣布したから内乱」という特検の主張も、裁判部は受け入れなかった。この点に関連して裁判部は「戒厳宣布の要件を具備したかどうかは大統領の判断を尊重すべきであって、これを司法府の判断対象にすることは適切ではない」とした。ただし、「戒厳宣布は大統領の非常大権であって司法審査の対象にならない」という尹・前大統領側の主張も棄却した。裁判部は「国会の権限を侵害したり行政・司法の本質的機能を侵害したりする非常戒厳は憲法上・法律上許容されない」「これを目的として戒厳を宣布したら内乱と見なし得る」と述べた。
■全斗煥・元大統領に続いて2例目の「内乱首謀者」
韓国憲政史において内乱首謀者罪が認められたのは、30年前の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領に続いて尹・前大統領が2例目。裁判部は、全・元大統領の事件の大法院(最高裁)判例を引用しつつ「韓国刑法上、『国憲紊乱』とは憲法機関を永久的に廃止することだけでなく、相当期間機能をきちんと果たせないようにすることも含まれる」と指摘した。国会の解散でなくとも、議員たちが集まって討議したり議決したりできなくしようとしたのであれば、国憲紊乱になり得るというわけだ。
裁判部は、量刑理由を明かす際、「最も残念に思う点は、戒厳で軍と警察の政治的中立性が損なわれ、国際社会において大韓民国の政治的な立ち位置と対外信認度が下落したこと」だとし「結果的に、韓国社会は政治的に二分化され、極限の対立状況に直面している」と述べた。その上で「こうした社会的コストは裁判部が算定し得ないほどのすさまじい被害」と語った。
キム・ウンギョン記者、オ・ユジン記者
【一審の判断】「国憲紊乱目的はあったか」「暴動はあったか」「大統領が直接決定、指揮したか」「検察・公捜処の内乱罪捜査は適法だったか」