韓国法曹界の反応「妥当な判決」「特別検察官の主張そのまま」 内乱首謀の被告人・尹錫悦に一審無期懲役

「戒厳早期解除、死傷者もなし」
「暴動があったのか、議論の余地あり」

 19日に裁判所が、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の12・3非常戒厳宣布を国憲紊乱(びんらん)目的の内乱と認め、無期懲役を言い渡したことを巡り、韓国法曹界からはおおむね「妥当な判決」という評価が出ている。ただし一部には「特別検察官(特検)の見方に埋没した判決」という批判もあった。

【一審の判断】「国憲紊乱目的はあったか」「暴動はあったか」「大統領が直接決定、指揮したか」「検察・公捜処の内乱罪捜査は適法だったか」

 この日、検察幹部出身のある弁護士は「裁判部が複数回強調したように、内乱罪判断の核心は(尹・前大統領が)国会に軍隊を送ったこと」「非常戒厳が大統領の固有権限だとしても、その権限が国会など憲法機関の機能をまひさせようとする目的で使われたとしたら内乱罪が成立すると見るのが正しい」と語った。この人物は、量刑についても「かつて内乱罪などで起訴された全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領は一審で死刑を言い渡されたが、尹・前大統領のケースとは異なる」とし「12・3非常戒厳はわずか2時間ほどで解除され、死傷者の発生もなかったことなどを考慮し、無期懲役を言い渡したものとみられる」と述べた。尹・前大統領に適用された内乱首謀者罪の法定刑は死刑か無期懲役・無期禁固の三つしかない。

 部長判事出身の別の弁護士も「韓悳洙(ハン・ドクス)前首相は戒厳を止められなかったという理由で懲役23年を言い渡されたのだから、尹・前大統領に対する有罪宣告は当然の水準だった」「無期懲役は与野党の両極端にある支持者からそろって非難される量刑だが、裁判部が政治的考慮なしに法理に基いて妥当な判決を下したように思う」と語った。

 反面、裁判部が特検の主張にそのまま従った、という意見も出た。法理的には内乱罪が成立しないのに、巨大与党と特検の顔色をうかがって有罪を言い渡した、という趣旨だ。ある現職部長判事は「内乱罪は暴動があって初めて成立するのに、非常戒厳当時、ソウルや一地方の平穏を害するほどの暴動があったかについては議論の余地がある」「内乱未遂もしくは予備陰謀くらいと見るのが正しい」と語った。その上で「こうしたケースにも内乱罪を引き当て始めたら、軍統帥権者が本当に正当に戒厳を宣布すべきときにも萎縮する状況が生じかねない」と述べた。

キム・ヒレ記者、イ・ミンギョン記者

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  • ▲尹錫悦・前大統領(写真中央上)と金竜顕・前国防相。/写真=ソウル中央地裁

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