青瓦台(韓国大統領府)のある関係者は5日「兵器の移動に向けた協議があったなどと報じられたが、協議などしていない」と明言した。韓米両国の間で在韓米軍の兵器移動に向けた協議は現時点で行われていないようだ。これと関連してある韓国軍筋は「米軍が必要と判断すれば在韓米軍の兵器使用に特に問題はない」とコメントした。
イランは米軍基地や米大使館などがある中東諸国の都市に無差別攻撃を行っているため、迎撃ミサイルなどの需要が急速に高まっている。そのため韓国も今後支援を求められる可能性が非常に高い。ウクライナ戦争で迎撃ミサイルはすでに足りない状況にあり、米国も湾岸諸国も追加確保に向けて動いているため、現時点でかなりの量を保有する韓国に当然注目が集まる。
イランはすでに2000発以上の中距離弾道ミサイルを保有しており、また「秘蔵のカード」として極超音速ミサイル「ファタ」の使用も検討しているという。イランは昨年6月にイスラエルを攻撃した際にファタ1を使用したが、その際に弾頭の一部がイスラエルの防空システムを突破しテルアビブの市街地などに落下した。
イランとの戦闘が長期戦になった場合、米軍は在韓米軍の8基のパトリオット発射機など韓国国内の防空兵器を中東に移動させる可能性がまず指摘されている。慶尚北道星州のTHAAD(高高度防衛ミサイル)はレーダーと発射機を残し迎撃ミサイルだけを数十発移動させる可能性が考えられると専門家はみている。このようにパトリオットやTHAADが持ち出された場合、韓国の防空システムが弱体化し、韓国軍の防衛体制に問題が生じるとの懸念も指摘されている。
米軍の最新兵器も一部移動する可能性がある。米国は昨年海外の米軍基地で初めて京畿道の烏山空軍基地に「間接火力防護能力(IFPC)」を配備したが、IFPCは米国式アイアンドームとも呼ばれ、ドローンや亜音速巡航ミサイル、ロケット砲や迫撃砲などさまざまな攻撃に対応できる。米国は昨年末にドイツに続き韓国の東豆川に重装軌式多連装ロケットシステムの最新型M270A2も配備したが、これも近く移動する可能性がある。
在韓米軍の兵器や戦力の移動に加え、韓国軍が保有する兵器についても米国が支援を要請する可能性も考えられる。誘導キットはレイシオンやロッキード・マーチンが製造するペイブウェイの他にボーイング製の統合直接攻撃弾(JDAM)などがあるが、韓国空軍は2021年から7000個以上のJDAMキットを米国から購入し、数千個を保有しているという。韓国国防安保フォーラムの辛宗祐(シン・ジョンウ)事務総長は「米国は韓国空軍が保有するJDAMや誘導ミサイルのパトリオットなどの移動も求めてくるかもしれない」と予想した。
ヤン・ジホ記者