これに関連し、ニューヨークタイムズは、アナリストの話として、トランプ米大統領の北京訪問や習近平国家主席との首脳会談(3月31日~4月2日)を控えた準備過程の可能性があるとしたほか、原油価格の上昇に伴い中国が燃料を節約している面もあると報じた。
台湾国防安全研究院の欧錫富・研究副執行長は「トランプ政権がイランと戦争している状況で、習近平は自身が余計な厄介事をつくり出しているとトランプに思われたくないはずだ」と述べた。首脳会談がスムーズに進行し、中国を米国と同等の大国としてアピールする狙いだ。
別の専門家は、最近の飛来減少は中国空軍内部の粛清による影響の可能性があると指摘した。台湾を担当する東部戦区を含む中国軍では、幹部や司令官に対する大規模な粛清が行われた。
一方、米シンクタンク「ナショナル・アジアリサーチ・ビューロー」のトリスタン・タン研究員は、中国空軍が訓練方法を変えただけではないかとみている。タン氏は「既に昨年から中国軍機の侵入がない日が増えた。現在の状況は実際には半年以上続いている変化だ」と指摘した。
しかし、多くの専門家は北京が差し迫った軍事行動に先立ち、意図的に緊張を和らげているという見方には反論した。
中国国防省は中国軍機の「消失」について公式なコメントを出していない。台湾の顧立雄国防部長(国防相に相当)は「中国軍機の減少で中国の軍事的脅威が低下したと解釈すべきではない。戦闘機が来るかどうかだけでなく、さまざまな指標を総合的に判断すべきだ」と述べた。
実際中国海軍による台湾周辺での活動は引き続き探知されている。米シンクタンク国際戦略問題研究所(CSIS)のチャイナ・パワー・プロジェクト担当者ブライアン・ハート氏は、ニューヨーク・タイムズに対し「台湾周辺で報告されている中国海軍の艦船数には同様の減少は見られない」と述べ、中国軍機消失の理由を断定するのは困難だとした。
台湾政府と中国軍ウォッチャーは、中国の全人代閉幕後に中国軍機の侵入が再び増加するかどうかに注目している。
イ・チョルミン記者